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「開幕ローテほぼ確」のソフトバンク田中正義、今季最長5回を1失点=ファーム教育リーグ

田尻耕太郎スポーツライター
開幕ローテはほぼ手中(筆者撮影)

 3月10日、福岡ソフトバンクホークスのファームはタマホームスタジアム筑後で中日ドラゴンズのファームとウエスタン・リーグの春季教育リーグで対戦した。

 

【3月10日 ウエスタン教育リーグ タマスタ筑後 466人】

中日     `010000000 1

ソフトバンク `100000000 1

<バッテリー>

【D】松木平、福島、R・マルティネス、福、森、加藤翼――郡司

【H】田中正、佐藤宏、田上――渡邉

<本塁打>

なし

<スタメン>

【D】8ブライト 7三好 5ワカマツ Ⅾ平田 6堂上 2郡司 3石岡 4石垣 8福元

【H】3明石 2渡邉 Ⅾ石塚 9中谷 8川村 5小林 6勝連 4伊藤 7早

<戦評>

 両チームの投手陣が好投した。ソフトバンクは開幕ローテ候補の田中正が先発。この日は一軍オープン戦が組まれておらず、ファームでの調整登板となった。二回に1失点したものの、5回を投げきって好調維持を十分にアピールした。3番手の田上は3回完全と快投した。

 中日は小刻みな投手リレー。一軍実績のあるR・マルティネスと福もマウンドに上がった。

 先制はソフトバンク。初回、先頭の明石が右翼線二塁打で出塁。その後1アウト二塁となり、3番・石塚の打球を相手左翼手が落球してその間に明石が生還した(記録は左失策)。

 中日打線は二回、平田と堂上の連打でノーアウト一、三塁として郡司の二ゴロの間に得点をした。

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田中正義、佇まいに”ローテ”の風格

 ソフトバンクの田中正義投手が開幕ローテ入りへまた前進した。

 今年最長の5回を投げて4安打1失点。「打者2巡目と対戦するのも初めて」と、先発としての適応をテーマにして配球も工夫した。序盤は直球主体。2巡目からは今季取り組むカーブも交えた。

 5回で78球を投げた。150キロ超をマークする球威はイニングを重ねても全く変わらなかった。「自分はプロで先発で回ったことがないから、スタミナの手応えなどは分からない」と話したが、余力はまだまだ残っていたように見えた。

 なにより、マウンド上の佇まいに風格があった。結果でアピールするだけでなく、内容を求めながら投げているのが分かった。冷静に考えればプロ0勝の右腕なのだが、まるで2桁白星を挙げてきた投手のようなオーラを身にまとっていた。

 表情が明るくなったとは言われ続けてきたが、マウンドさばきも明らかに変貌している。

 プロ6年目の覚醒。

 それは予感から、確信へと変わりつつある。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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