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「柳田よりも」と評された男。元ホークス大本将吾が四国IL愛媛の新キャプテンに就任

田尻耕太郎スポーツライター
昨年のソフトバンク三軍戦に出場した大本将吾(筆者撮影)

 プロ野球独立リーグ・四国アイランドリーグplusの愛媛マンダリンパイレーツは今季のキャプテンを大本将吾外野手が務めることを、28日に発表した。

 大本は2020年まで4年間、福岡ソフトバンクホークスでプレー。昨年から出身地の愛媛に戻り、マンダリンパイレーツに入団していた。

ホークスには4年間在籍

 ホークスには2016年育成ドラフト1位で入団した。同期入団には田中正義投手や三森大貴内野手がいた。

 三軍戦で出場する日々だったが、春先には打率5割超をマークしたり、4年目の二軍公式戦では内川聖一の代打で打席に立って会心の二塁打を放った試合が2度あったりした。その時は「地元(愛媛)の友達から『内川選手に代わって出るってスゴくね?』って連絡がよく来るんですけど、それって凄いんですかね(笑)。ちょっと違うと思うんですけど」と広い肩幅をすくめて照れ笑いを浮かべて謙遜していた。

 スラッガー然とした背格好や豪快なスイングが持ち味で、球団スカウトからは「大学時代の柳田よりもいい」との声が上がり、期待をされた時期もあった。しかし、三軍戦では一定の成績を残せても二軍公式戦では大きなアピールが出来ず支配下昇格を勝ちとれなかった。2020年シーズン限りでソフトバンクを自由契約となった。

川島慶三に背中を押されて

 一旦は選手人生からの引退を表明したが、川島慶三から「(当時)まだ22歳で伸びる可能性もあるんだから続けたらどうだ」と背中を押されて現役続行を決意。同年に神宮球場で行われた12球団合同トライアウトに参加し、その後愛媛マンダリンパイレーツ入りが決まった。

 愛媛加入1年目だった昨季は57試合に出場し、198打数55安打で打率.278、1本塁打、12打点の成績だった。

 いかにも人の良さそうな顔立ちそのままの温厚な性格で、目配りや気配りもしっかり出来るタイプだった。

 昨季の愛媛マンダリンパイレーツは、前期が5勝26敗3分、後期が8勝20敗6分といずれも最下位で全く振るわなかった。今季からはかつてオリックスで活躍した弓岡敬二郎監督が6年ぶりに復帰。前任時代にはリーグ3連覇にも導いた名将が率いるチームを、元ホークス戦士の大本キャプテンが先頭に立って、巻き返しを図っていく。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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