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タカの新主将・柳田悠岐がかねてから発揮していたキャプテンシー。「勝敗の責任は俺らが」

田尻耕太郎スポーツライター
秋季練習に顔を出した際の柳田(右)・筆者撮影

 明るく元気なチームを目指す新生・藤本ホークスにうってつけのキャプテンが誕生する。藤本博史監督は来季からチーム4年ぶりとなる主将制度の復活を示唆していたが、宮崎秋季キャンプ2日目の5日の練習後、柳田悠岐外野手を指名したことを明らかにした。

「いろいろ考えて柳田がベストじゃないかな、と。彼なら重荷にならない。チームを明るくしてくれると思う」

ホークス福岡移転後4人目

 福岡移転後のホークスでは4人目のキャプテン就任となる。1999年から~2002年の秋山幸二、2009年~2012年の小久保裕紀、2015年~2018年の内川聖一。いずれも通算2000本安打以上を放ち名球会入りした錚々たる顔ぶれだ。

 藤本監督も「すでに了解を得ています」とにやり。打診した際に柳田はいつもの調子で「え~!」と声を上げたそうだが、藤本監督が「頼むわ」と言うと「分かりました!」と即答したという。藤本監督と柳田の強い信頼関係があってこそのエピソードだ。

 これまでも柳田は、肩書はなくとも自覚を持って若手を牽引してきた。自主トレには真砂勇介や谷川原健太らを帯同させ、技術はもとより「野球を楽しむこと」などメンタル面のアドバイスを親身になって送った。

若手にのびのびプレーをさせるため

 真砂は「柳田さんはいつも『オマエらは自分だけのことを考えてプレーしたらいい。勝敗の責任を背負うのが俺らみたいな立場の役目だから』と、シーズン中も僕らに声をかけてくれていました」と話す。また、その真砂や栗原に、成績のノルマを課して、クリアすれば高級腕時計をプレゼントする約束をするなどして、ムードを盛り立てていた。

 キャプテンに就任したからといって特別なことをするわけでもない。多分今まで通りだ。変に力むこともない。つまりは、成績に悪影響を及ぼすこともあり得ない。むしろ藤本監督が期待するように、チームは柳田を中心に、より明るく元気にそして結束をしていくだろう。

 来季の逆襲に向けた機運の高まりへ、柳田キャプテンの誕生は大いにプラスとなりそうだ。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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