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吉村裕基、来季現役続行に意欲。元横浜・鷹、現火の国サラマンダーズ選手兼任コーチ「自分も示しながら」

田尻耕太郎スポーツライター
優勝セレモニーで写真に納まる吉村、中段右。前方には馬原PGMも(筆者撮影)

 横浜ベイスターズや福岡ソフトバンクホークスでNPB通算131本塁打をマークし、現在は「ヤマエ久野 九州アジアリーグ」の火の国サラマンダーズに所属する吉村裕基選手兼任コーチ(37歳)が、来季も現役選手としてプレーする意欲を示した。

 火の国は23日、同リーグ公式戦で大分B-リングスと熊本県の山鹿市民球場で対戦。これが火の国の今季ホーム最終戦(試合詳細についての記事はコチラのリンク先へ)だった。

 その試合後に取材に応じて、思いを明かした。

「僕としては(来季も)やるつもりでいます。需要(契約してくれるチーム)があれば、ですけどね」

 選手兼任コーチの立ち位置で、設立1年目のチームの中で精一杯やってきた。充実感もあった。

「コーチも兼任しているので、両方の気持ちが分かる。だから今になって若い時の自分を反省することもあります。もっとこうすれば、首脳陣は使いやすかったんだろうなって(苦笑)」

「体は元気。一緒に打球を追いながら」

この日もスタメン出場。今季打率は3割超え。3ホーマーも放った(筆者撮影)
この日もスタメン出場。今季打率は3割超え。3ホーマーも放った(筆者撮影)

 時を重ね、立場も変わり、野球との向き合い方も昔と同じではなくなった。「自分のために野球をしているか」と問うたとき、すっきりした表情で迷いなく「半々ですね」という答えが返ってきた。

「まだ来年の契約も分からないけど体はまだ元気。コーチだとしても体が動くのならば、一緒に打球を追いながら、自分も示しながらやれるのがいいのかなと思っています。足を引っ張るようならば、もうやめないといけないですけどね」

 この日も3番指名打者でスタメン出場。2打数無安打と振るわなかったが、今季ここまでは28試合に出場して打率.313、チーム2位の3本塁打、15打点と奮闘している。一塁や外野の守備にも就いた。「もうちょっと打ちたかったです」。プレーヤーとしての本能や闘志は全く消えていない。

栃木ゴールデンブレーブス川崎宗則ともタッグ

 ただ、NPBトライアウトを受ける意思はない。来季も基本的には独立リーグで活躍の場を求めるつもりだし、火の国サラマンダーズから延長オファーがあれば快諾するだろう。

「先日、ムネさん(栃木ゴールデンブレーブス・川崎宗則)から連絡ももらいました。僕の3つ上ですけど、まだまだ元気な“野球小僧”ですもんね。今年は10盗塁決めたと言っていました。それもスゴイのに、『来年は20個走るからね』って。福岡でまた一緒に練習しようとも声をかけてもらっていますし、僕もやれるうちは、そしてそのような場があるうちはしっかりやりたいですね」

 吉村は横浜時代の2008年にシーズン34本塁打を放つなど3年連続20発をマーク。2012年のシーズン後にトレードでソフトバンクへ移籍。勝負強い打撃で活躍し、2014年にはクライマックスシリーズMVPにも輝いた。

 2018年オフに退団。その後、2019年はオランダに渡ってプレーし、2020年は琉球ブルーオーシャンズに所属。そして今年から火の国サラマンダーズで選手兼任コーチを務めている。

 火の国はホーム最終戦を終えたが、「ヤマエ久野 九州アジアリーグ」の公式戦はあと2試合残っており、25日と26日に大分県の佐伯中央病院スタジアムで再び大分B-リングスと対戦する。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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