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「柳田2世」ルーキーが待望“プロ1号”!ホークス笹川吉康の夢は「観客の度肝を抜く」

田尻耕太郎スポーツライター
超有望ルーキーの笹川吉康外野手。写真は6月のタマスタ筑後でのもの(筆者撮影)

 7月11日、福岡ソフトバンクホークス三軍が九州アジアリーグとの交流戦で、大分B-リングスと大分県の佐伯中央病院スタジアムで対戦した。

九回2アウト無走者から、ソフトバンク逆転

【7月11日 九州アジアリーグ交流戦 佐伯中央病院スタジアム 752人】

ソフトバンク 021000003 6

大分     020002000 4

<バッテリー>

【H】中道、大城、◯古谷、S中村亮――居谷

【大】岡部、片山、金城、伊藤、松田、●新井宏――渡邊

<本塁打>

【H】笹川

<スタメン>

【H】9笹川 6川原田 D牧原巧 3石塚 4中村宜 5伊藤 2居谷 7早 8舟越

【大】8廣沢 D川上 4新井勝 7山下 9奥野 3原野 5西久保 2渡邊 6大前

<戦評>

 ソフトバンクが土壇場で意地を見せ、九回2アウト走者なしから逆転勝ちを収めた。

 1点を追いかける中、27個目のアウトは取られまいと若鷹打線が奮起し、そしてつながりを見せた。2番・川原田の左前打と3番・牧原巧の中前打で2死一、二塁とチャンスを作ると、この日4番で起用された石塚がライトへ逆転二塁打を放った。さらに続く途中出場の荒木が中前適時打を放ってリードを2点に広げた。

 川原田はバント安打も含む3安打の活躍。1盗塁も決めた。

 先発した育成2位ルーキー左腕の中道は6回10安打4失点と苦しんだ一方で10個の三振を奪う力投も見せた。2番手・大城、3番手・古谷はそれぞれ1回を投げて2三振をとるなどチームとしては計15奪三振をマークした。

 なお、ソフトバンク対大分B-リングスの交流戦は12日も同球場で行われる。(了)

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笹川の初本塁打は中越え2ラン

 大器の予感を漂わせる楽しみなドラフト2位ルーキーの笹川吉康外野手が、ついにプロ入り後初めての本塁打を放った。

 二回表2アウト一塁、大分B-リングス先発の岡部から中越え2ラン本塁打を放ち、チームに先制点をもたらした。

 身長は193cm。手足が長く、顔は小さめ。そして左打ち。

 それに加えて、入団時のプロフィールでは胸囲もヒップも100cm、握力は右82kgで左80kg、背筋力は300kgを記録すると記されていた。

 とんでもない怪力の持ち主。ホークスの誇る主砲「ギータ」こと柳田悠岐外野手を連想させ、ドラフト2位指名されると「柳田2世」とすぐに評判になった。

 球団もそれを承知したうえで、その名に恥じない規格外ルーキーに「背番号44」を用意した。柳田が入団から4年間つけていた背番号である。

出遅れ影響で成績低迷も、上向き気配

 しかし、新人合同自主トレの最中に左足を骨折。宮崎春季キャンプ中も含めて長くリハビリ組で過ごしたこともあり、シーズン開幕後もやや出遅れた感は否めなかった。

 ここまで二軍公式戦出場は1試合のみで、三軍が主戦場。非公式戦(主に三軍戦)は28試合出場で98打数21安打、1本塁打、15打点、1盗塁。打率は.214しかない。物足りない数字に映るが、シーズン当初が全く打てておらず、ここ最近は随分上向いてきているのだ。

 6月22日にはナゴヤ球場に遠征して中日ドラゴンズのファームと練習試合を行い、この試合では5打数2安打をマーク。それ以降、この日までの7試合のうち5試合で安打をマーク。打点も7と勝負強さも見せている。

「普通のホームランじゃつまんないと思うんです。観客の度肝を抜くようなホームランを打ちたいです」

 入団発表日の取材で語った言葉ははっきりと憶えている。笹川の怪物伝説の幕開けへ。待ちに待った初アーチがその扉を開くのか。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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