武田翔太投手が16日、調整登板のためにタマホームスタジアム筑後で行われた三軍練習試合の社会人・西部ガス戦に2番手で登板した。

 今季はここまで一軍ローテで9試合に登板して3勝3敗の五分の星ながら、防御率2.43と安定感のある投球を続けている。

 この日も社会人野球の打者を相手に、貫禄の違いを見せつける快投を披露した。最初の回は2番から始まる上位打線を右飛、左飛、三ゴロの三者凡退に仕留めた。続く2イニング目はフォークを多投して三者連続三振に完ぺきな投球。そして3イニング目は1死後にヒットを許したものの、きっちり後続を抑えた。3回を投げて被安打1、奪三振4の無失点ピッチングだった。

 武田は、この日も振り被って投げていた。

ノーワインドアップ投法で「6年ぶり」10Kだったが

 先日一軍で投げた8日の広島戦(PayPayドーム)からワインドアップ投法にしている。その前の1日のDeNA戦(横浜)ではノーワインドアップ投法だった。

 この横浜での試合、決して悪い内容ではなかった。勝ち星こそつかなかったが、6回2/3を1失点に抑えた。なにより自身6年ぶりとなる2桁奪三振となる10Kを奪ってみせた。

 通常、好調時にフォームを変える投手はいない。打者でもそうだし、チームの打順や作戦も同じだ。勝っているときはそのままの流れを大事にしたくなるのが人の常だ。

 しかし、武田は違った。そして、投球フォームを変えた広島戦でも7回3安打1失点で10奪三振と変わらぬ快投をしてみせたのだった。

 それにしてもなぜ、振り被って投げるようになったのか。この日そのワケを探ってみた。

――なぜワインドップに?

「胸椎の伸展が出なかったので、その動きを入れようと思って。簡単に言うと、胸を上げたかったイメージですね」と事も無げに、少し笑みを浮かべながら答えてくれた。

――好投後に変える勇気はすごいと思うけど?

「僕の中ではコンディショニングありきなんです。今の体の状態に何が合うか、どんな動作でカバーするか。だから、必ずしも手は上げなくてもいいんです。自分の体の声を聞きながらやっている。今年に関してはコンディショニングを一番のメインに考えている」

――では、試合直前に投げ方を決めることも?

「この前の試合(広島戦)はそうでしたよ。普段のキャッチボールはワインドアップでやっているし、いつもそういうこともあると思って、準備をしていますから」

――考え方が変わった?

「以前もコンディショニングは気にしていたけど、それ以上にフォームとかを気にしていた。状態が悪くなったら、フォームを変えようとしていた。でも、コンディショニングが悪ければどんなフォームでもいい球を投げることは出来ないと思うんです。ピラミッドの一番土台にあるのがコンディショニング。その上に技術があると思うんです」

 2016年のシーズンを最後に2桁勝利から遠ざかり、2019年オフは右肘手術を行うなど故障にも苦しんだ。「自分の体の声を聞く」という、ある意味でアスリートとしての本能を見つめ直したことが、今季の好調につながっているようだ。