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【入団会見】元広島カープ・小窪の火の国サラマンダーズ入りを実現させた、意外な「赤ヘル戦士」の縁

田尻耕太郎スポーツライター
広島時代の小窪内野手(火の国球団より提供)

 九州アジアリーグの火の国サラマンダーズへの入団が決まった元広島カープの小窪哲也内野手が5日午前、熊本市内のホテルで入団会見を行った。

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 小窪は昨年まで13年間広島カープでプレー。内野の全ポジションを守れるユーティリティプレーヤーとして活躍し、さらに2016年から2シーズンは選手会長も務めて、同時期のリーグ連覇に大きく貢献した。広島での通算成績は705試合に出場、打率.259、18本塁打、153打点だった。

 小窪は会見の中で「去年、広島東洋カープを退団してから練習を続けてきて、目標を見失わずにここまでやって来られた。ただ、練習ばかりの日々。やっぱり野球人として試合をしたいと考えている中で(火の国球団の)神田社長に声を掛けていただいて、僕もすぐに興味を持った」と入団の経緯について説明した。

新聞記事をきっかけに、球団社長が「元赤ヘル」に連絡

 火の国サラマンダーズの神田康範球団社長によれば、5月21日にデイリースポーツ新聞社が配信したネット記事を見たことがオファーのきっかけだったという。同日のうちに旧知の仲である元広島カープの天谷宗一郎氏に連絡。天谷氏を通じて小窪と接点を持った。

 同24日には広島市内で面談。小窪は数日後に熊本へ日帰りで出向き、練習を見学して細川亨監督ら首脳陣と懇談した。そして6月1日に、火の国球団へ入団の意向を伝えたという。

NPBから獲得オファーあれば球団は快諾

 小窪は「いろんな最終目標もありますけど、とにかくこの熊本で、死に物狂いでチームの勝利に貢献できるように頑張ります。そして若い選手も沢山いるので、その選手たちの手本になるようにしたいし、地域も元気にできるように頑張りたい」と意気込みを口にした。

 神田球団社長は「この球団は若者もベテランも、自分の夢の道を掴むための育成や再起を応援するチームであると思っています。小窪選手もここで頑張ってもらって、熊本を元気にしながら自分の夢をもう一度掴んでほしいとの思いで来てもらいました」と話し、仮に今季中にNPB球団からオファーがあった場合についても快諾する意向を示した。そのうえで「サラマンダーズからのプライドを持ったまま羽ばたいてもらいたいという思いはある」と語った。

 小窪の火の国サラマンダーズでの背番号は「19」に決定。明日6日の九州アジアリーグ公式戦の大分B―リングスとの公式戦(熊本市、リブワーク藤崎台球場/16:00開始)でさっそくベンチ入りする予定となっている。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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