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【ホークス三軍―火の国】「中村晃さんのように」育成ルーキーの早が4安打

田尻耕太郎スポーツライター
4安打を放った早外野手(筆者撮影)

 4月27日、福岡ソフトバンクホークス三軍と九州アジアリーグの火の国サラマンダーズがタマホームスタジアム筑後で無観客での練習試合を行った。

押し出し4つ含む両軍19四死球

【4月27日 練習試合 タマスタ筑後 無観客】

火の国    000112200 6

ソフトバンク 030010020 6

<バッテリー>

【火】源、猿渡、石本、水野、石森――深草

【H】大城、吉住、桑原、重田、中村亮――石塚

<本塁打>

なし

<スタメン>

【火】Ⅾ高山 6宇土 7安井 9水本 5河添 8浦木 3猪口 2深草 4松本

【H】9舟越 4伊藤 D笹川 5井上 2石塚 8中村宜 7早 3荒木 6勝連

<戦評>

 序盤はソフトバンクが主導権。二回、中村宜の適時三塁打と早、勝連の適時打で3点を先行した。先発マウンドに上がった高卒育成ルーキー左腕の大城は3回を投げて被安打3も無四球無失点と安定した投球を見せた。

 しかし、中盤から火の国が反撃。四回に水本の適時打で1点を返すと、2点を追う六回には安井、水本の連打からチャンスを広げて4-4と追いついた。そして七回には河添と猪口が押し出し四球を選んで2点を勝ち越した。

 2月に宮崎で対戦した練習試合で火の国はソフトバンクに「1-13」で大敗していた。2か月後の再戦でリベンジを果たしたいところだったが、八回裏に2点を追うソフトバンクが6-6の同点とした。この得点も2つの押し出し四球。この試合は両チームの投手陣が合わせて19与四死球。うち4つが押し出し四球(両軍2つずつ)と、締まりの悪さが目立ってしまった。ただ、両チームの最後に投げた中村亮(ソフトバンク)と石森はそれぞれ1回を打者3人斬りと快投を見せた。(了)

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早真之介、ドラ2笹川吉康と語り合う夢「いつか共に」

二回、適時打を放った後に後続のヒットでホームイン。ベンチに戻ってきたところ(筆者撮影)
二回、適時打を放った後に後続のヒットでホームイン。ベンチに戻ってきたところ(筆者撮影)

 ソフトバンクの早真之介外野手がヒットメーカーとなった。

 第1打席は二回無死三塁で中前適時打。第2打席でも中前打を放って出塁すると二盗も決めた。五回2死満塁の第3打席では二塁内野安打でまた打点を挙げると、八回無死の第4打席でも俊足を飛ばして遊撃内野安打とした。九回の打席は空振り三振に倒れたが、5打数4安打2打点の固め打ちを見せた。

 もともと打撃力に定評がありドラフト指名された。1月の新人合同自主トレや2月の春季キャンプを見ても、振りが鋭く広角に打ち分ける技術の高さは育成レベルを超えているようにも映った。

 だが、それほど目立った存在にならなかったのは、今年の高卒ルーキーが総じてバッティングの評判が高いからだ。ドラフト1位の井上朋也内野手は三軍の4番に定着し、2軍戦でもヒットを放っている。ドラフト2位の笹川吉康外野手は「柳田2世」の呼び声高い怪力の持ち主だ。

 特に早にとっては、同じ左打ち外野手の笹川が当然ライバルとなる。

「確かにライバルです。だけど、僕と笹川はタイプが違うと思います。彼は柳田さんで、僕が目指しているのは中村晃さんです。ヒットをたくさん打って、勝負強さもあり、あらゆる形でチームに貢献できるバッターになりたいと思っています」

 笹川とも「いつか共に中軸を」と将来の夢を語り合っているそうだ。

 今春キャンプ中に右肩を痛めて一時離脱した分の悔しさもぶつけて、早はこれからも自らのバットで快音を奏で続けるつもりだ。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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