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【ソフトバンク】「柳田2世」の18歳ルーキー笹川吉康が待望初実戦でフェン直二塁打!

田尻耕太郎スポーツライター
右が「柳田2世」の呼び声高い笹川吉康。隣はD1位ルーキーの井上朋也(筆者撮影)

【4月21日 ソフトバンク三軍8-4徳島 タマスタ筑後 観客158人】

 ソフトバンクの超有望株がついにベールを脱いだ。

 ドラフト2位ルーキーの笹川吉康外野手が21日の三軍定期交流戦の徳島インディゴソックス戦(タマスタ筑後)でプロ入り後初となる実戦出場を果たした。

 七回表からセンターの守備に就き途中出場。その裏、さっそく打席が回ってきた。初球だった。フルスイングから放たれた打球は一直線に伸びて右翼フェンス直撃した。二塁打として、見事な長打デビューを飾った。

「楽しみな気持ちしかなかったです。初球から積極的に行くのは高校時代からの持ち味。いつも通りのスタイルでした。ただ、思ったよりも飛びました。ライトオーバーくらいの手応えだったので、あとでフェンス直撃と聞いてびっくりしました」

ソフトバンク球団が「あえて」の2位指名

 誰もが注目したくなる新人だ。高校時代は甲子園出場がなく、知名度はそれほど高くなかった中でホークスは2位指名をした。

「1位指名の井上(朋也=花咲徳栄)君はどの球団も高い評価をしていたと思うけど、2位の笹川君に関しては高校生の外野手だし、なにより前年に我々ホークスは外野手を補強したうえであえて指名をした。それくらい高い能力の持ち主。ホークスに入ったら、是非皆さんにも見ていただきたい」

 球団編成育成本部の永井智浩本部長は自信たっぷりに話した。

 ホークスは2019年ドラフト1位でJR西日本の佐藤直樹を指名しただけでなく、5位でも慶應大学の柳町達を獲得している(2人はともに外野手)。また、高校生外野手を2位以上で指名したのは2003年ドラフトの城所龍磨以来で、球団がソフトバンクとなって以降は初めてのことだった。

 身長は193cm。手足が長いが、顔は小さめ。そして左打ち。「柳田2世」と呼ばれる所以だ。

 それだけじゃない。

 入団時のプロフィールでは胸囲もヒップも100cm。握力は右82kgで、左80kg。背筋力は300kgを記録する。

 とんでもない怪力の持ち主。これまた柳田を連想させる。

長いリハビリを経てスタートラインに

 ただ、楽しみにしていた矢先の1月14日、新人合同自主トレの最中に左足を痛めてしまった。筑後市内の病院にて親指の不全骨折と中指の軽度の骨挫傷と診断され、宮崎春季キャンプ中も含めて長くリハビリ組で過ごした。

 ようやく「実戦」というスタートラインに立った。

「まずは三軍でホームランをたくさん打って成績を残して、二軍に呼ばれるようにならないといけない。徐々にステップアップしていきたいです」

 ちなみにこれだけの長身選手でも、プロ入り後にさらに伸びたケースは過去にもよくあった。しかし、笹川は「多分変わっていないと思います」と照れ笑いを浮かべていた。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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