通算131本塁打の吉村裕基は火の国サラマンダーズで今も現役!「選手兼任」でコーチを続ける理由

九回、1点差に追い上げる犠飛。「勝ちたかった」と悔しそうだった(筆者撮影)

 今年新設された九州アジアリーグの交流戦が4月11日、熊本市のリブワーク藤崎台球場で行われた。熊本を本拠とする火の国サラマンダーズと対戦したのは、将来的なNPB入りを目指して2019年に沖縄を本拠に設立された琉球ブルーオーシャンズ。この日が3連戦の最終日。第1戦は琉球が2-1で勝利。第2戦は3-3の引き分けだった。

【4月11日 九州アジアリーグ交流戦 リブワーク藤崎台 890人】

琉球  001101010 4

火の国 100100001 3

<バッテリー>

【琉】中西、◯酒井、福田、ジュリアス、S松本――佐久田、杉山

【火】宮澤、●石本、水野、橋詰、石森――中島

<本塁打>

なし

<スタメン>

【琉】8矢野 4亀澤 6大河 7大城 5宮城清 3中島 9森 2佐久田 D比屋根

【火】6宇土 D高山 3吉村 9水本 5橋中 8浦木 4佐藤 2中島 7松本

<戦評>

 琉球が接戦を制した。2-2の六回表に9番・比屋根が2打席連続の犠飛を放って勝ち越した。八回表には1番・矢野が2死満塁の好機で適時打を放ち貴重な1点を追加した。

 火の国は六回裏以外のイニングで毎回ランナーを置くなどチーム10安打を放ったが、決定打や集中攻撃を欠いた。最終回も吉村の犠飛で1点差に迫り、なお2死三塁で4番・水本だったが、見逃し三振に倒れた。

 両チームとも明日も交流戦。火の国サラマンダーズはリブワーク藤崎台球場に四国アイランドリーグplusの香川オリーブガイナーズを迎える。琉球ブルーオーシャンズは臼杵市民球場に場所を移し、大分B-リングスと対戦する。(了)

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3番一塁でフル出場。2安打1打点

雰囲気も体型もソフトバンク在籍時と変わっていない(筆者撮影)
雰囲気も体型もソフトバンク在籍時と変わっていない(筆者撮影)

 吉村裕基のバッティングは今も健在だ。一本足の独特な構えも、バット投げもあの頃のままだった。

 かつて横浜ベイスターズや福岡ソフトバンクホークスでプレーし通算131本塁打を放ったスラッガーは、2018年を最後にNPBの舞台から離れた。

 だが、ユニフォームを着てプレーし続けている。2019年はオランダのチームに所属。2020年は琉球ブルーオーシャンズの一員となり、そして2021年からは火の国サラマンダーズと契約した。

 背番号8をつけ、この日は「3番一塁」でフル出場。第1打席はセンターフライに倒れたが、第2打席でレフト前ヒット、第3打席は逆方向へ打ち返しライト前ヒットとした。第4打席は遊ゴロ併殺打。そして2点ビハインドの九回裏1死二、三塁ではレフトへ犠飛を放った。4打数2安打1打点だった。

プレーをしながら示す、感謝と価値

 吉村の肩書は選手兼任コーチだ。今、どんな心境でユニフォームを着ているのか。

自分のために野球をしているのか――そう問うてみると、吉村は迷いなく「半々ですね」とすっきりした表情で答えた。

「選手としてグラウンドに立つ以上は上手くなろうという気持ちは忘れていません。ただ、それよりも一所懸命やるのが大事。選手兼任コーチは正直大変です。だけど、僕のプレーを楽しみにしてくれている人もいるでしょうし、一緒にやっている選手たちもどんなバッティングをするのか、どんな守備を見せるのか気になっていると思います。ホームランを打てればカッコイイんでしょうけど、このキャリアでこの年齢の人でもちゃんとやるんだというところを見せたいと思っています。口だけではなく、プレーをしながら示す。まだ選手として契約してもらっていることに感謝と価値を感じながら、その気持ちを大切にしています」

 吉村といえば打撃のイメージが強いが、特に守備に関して細かな声掛けを大事にしていた。1球1球その場面に応じた指示を送り、ベンチに戻ってきた選手にもそのイニングのプレーについて話をする姿が印象的だった。