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センバツ開幕!ホークスJr.最強世代、大阪桐蔭・関戸らが甲子園を席巻するか

田尻耕太郎スポーツライター
小学校6年生当時の大阪桐蔭・関戸投手(筆者撮影)

 第93回選抜高等学校野球大会(センバツ)が19日、阪神甲子園球場で開幕する。昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により春夏ともに甲子園大会は中止となり、夏にセンバツ出場校による交流試合が行われただけだった。

 注目選手も多い今大会。その中で頻繁に名前の挙がる大阪桐蔭の「右のエース」である関戸康介投手はかつて、福岡ソフトバンクホークスのユニフォームを着てプレーしたことがある。その時、彼はまだ小学生だった。

ホークスJr.11期生の5名が、センバツ甲子園に

 福岡ソフトバンクホークスJr.の「11期生」として、2015年12月に行われたNPB12球団ジュニアトーナメントに出場した。

 現在154キロ右腕ですでにドラフト最上位候補と言われているが、小学生当時も速かった。この大会に出場する小学校6年生のトップレベルの投手でも120キロを超えればすごいとされる中、関戸は130キロ近い速球を投げ込んでいた。

 なかでも圧巻だったのがグループリーグの読売ジャイアンツJr.戦だった。前年まで大会3連覇を果たしていたチームを相手に先発して堂々の投球。特に三回は、3者連続3球三振の離れ業を演じてみせた。「コントロールミスをしないように気をつけました。少々打たれても守備がいいから大丈夫。スピードも三振の数も気にしないように投げました。(3回は3者連続3球三振)それも特に。僕は一生懸命投げるだけ」と当時の試合後、クールに語っていたのも憶えている。また、準決勝のヤクルトスワローズJr.戦には「1番センター」で出場して先頭打者本塁打、三回には2点タイムリーとバットで貢献した。

福大大濠の注目左腕・毛利も「ホークスJr.」OB

大会終了後にチームで記念撮影。監督を務めたのは池田親興氏。コーチは出口雄大氏と大野隆治氏だった(筆者撮影)
大会終了後にチームで記念撮影。監督を務めたのは池田親興氏。コーチは出口雄大氏と大野隆治氏だった(筆者撮影)

 このホークスJr.11期生で関戸は確かに中心選手だったが、決してワンマンチームではなかった。素晴らしい素質を持った選手たちが揃うタレント集団だった。

 時を経て、高校生となった彼ら。今回のセンバツには関戸を含め5名のホークスJr.11期生のOBが出場する。

 大阪桐蔭には関戸ともう一人、繁永晟がいる。昨秋の近畿大会では「1番セカンド」でレギュラー。強打が自慢のリードオフマンとして注目を集める存在だ。小学6年生時のジュニアトーナメントでも、グループリーグの広島カープJr.戦で本塁打を放って「気持ちよかったです。(背番号9でプレー)柳田選手に憧れています。フルスイングが好き。背番号はたまたま同じ」とコメントしていた。

 さらに福大大濠高校の左腕エース毛利海大、永井大斗。毛利は大会屈指の左腕として名前が挙がっている。永井はソフトバンクの永井智浩編成育成本部長の長男で、巨人のドラフト1位・平内龍太投手のいとこにあたる。ホークスジュニア時代は4番を打っていた。現在も打撃力に定評があるようだ。

 そして明豊高校の蓑原英明。ホークスJr.時代は内野手として登録されていたが、現在は捕手だ。1学年上にソフトバンク育成でドラフト指名された居谷匠真がいたことで出番が限られていたが、現在のチームでは扇の要として欠かせぬ存在となっている。

 かつてホークスのユニフォームを身にまとった球児たちが大きく成長して、甲子園という大きな舞台でどんな活躍をしてくれるのか。非常に楽しみだ。

【当該高校の初戦】

大会第3日 第2試合 福岡大大濠(福岡)vs大崎(長崎)

大会第3日 第3試合 明豊(大分)vs東播磨(兵庫)

大会第4日 第2試合 智辯学園(奈良)vs大阪桐蔭(大阪)

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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