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「千鳥」も認めたクセ強フォームを改良!ホークス三森大貴が月間3割3分超え

田尻耕太郎スポーツライター
試合前に素振りをする三森(背番号68)・筆者撮影

佐藤と海野、ルーキーが2打点

 9月30日、福岡ソフトバンクホークス二軍は、タマホームスタジアム筑後で行われたウエスタン・リーグ公式戦で広島東洋カープ二軍と対戦した。

【9月30日 ウエスタン・リーグ タマスタ筑後 936人】

広島     120020001 6

ソフトバンク 020002000 4

<バッテリー>

【C】高橋樹、◯コルニエル(0勝1敗)、平岡、藤井黎、S田中法(1敗11セーブ)――石原貴

【H】●大竹(6勝3敗)、高橋純、松田遼、岩嵜、椎野――海野、谷川原

<本塁打>

【C】石原貴1号

<スタメン>

【C】7宇草 4羽月 D高橋大 3林 8正随 6小園 2石原貴 5中神 9永井

【H】9上林 4三森 3内川 Dバレンティン 6西田 5野村 7水谷 2海野 8佐藤

<戦評>

 ソフトバンクの2人のルーキーが2打点ずつをマークした。8番スタメンのドラフト2位入団の海野は二回に適時打、六回にはタイムリー適時打。そして9番で出場した1位の佐藤も二回と六回に打点をマーク。最初の場面はチャンスでの内野ゴロだったが、六回はしっかりタイムリーを放った。

 しかし、ソフトバンクは先発した大竹が序盤につかまった。初回は林に適時二塁打、二回も中神の適時二塁打などで計3点を失うと五回表に石原貴に痛恨の2ランを浴びた。大竹は5回までに9奪三振をマークするも5失点。10本の安打を浴び、うち5本が長打と苦しんだ。

 なお、広島カープは13連敗の長いトンネルからようやく脱出。9月5日以来の勝利を手にした。(了)

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猛打賞の三森、フォーム改良の狙いとは

 三森大貴内野手が5打数3安打。9月3度目の猛打賞をマークし、月間では72打数24安打で打率.333と安定した打撃を見せた。

「打率にこだわっているので、しっかり数字を残せたのは嬉しいです」

 今季は開幕一軍入りを果たし、7月11日の楽天戦では2本の二塁打を放ち4打数2安打1打点と光る活躍もあった。しかし、打率.163と振るわずに8月17日にファーム降格となっていた。

 三森といえば185センチの長身をぐっと折り曲げて「く」の字になる打撃フォームが特徴的だ。8月には人気お笑いコンビの千鳥がMCを務めた「プロ野球!クセ強ベストナイン」(テレビ東京系)という番組で紹介されたこともあった。三森本人も「周りから聞きましたよ」と笑っていた。

個性は武器

 その独特なフォームは特に今季から積極的に取り組んできた。しかし、この日の構えは少し変わっていた。前屈みになっているが以前ほどではない。また、オープンスタンスになっていた。ただ、それもまた独特だ。

「今はこれがいいと思ってやっています」

 もともと「く」の字打法にしたのは速球に対応するためだった。無駄のない動きからパッとバットを出して球をとらえることをイメージしていた。

「でも今年、実際に一軍で戦ってみて、速球に対応できていなかった。そのままではいけないと思い、少し変えながらやっています」

 ファーム降格後の8月の二軍戦では打率.222と振るわなかったが、試行錯誤して答えを探しだした末の9月の好調に、三森自身も手応えを感じている。

 今季が入団4年目。高い野球センスは定評がある。昨年4月20日の西武戦。プロ初スタメンした試合でプロ初ヒット、プロ初盗塁、プロ初打点を記録し、さらにプロ初猛打賞にプロ初ヒーローインタビューと鮮烈な光を放ったことをファンは憶えている。

 自分の個性を貫いて、再び這い上がってほしい。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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