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ホークス松本裕樹が延期後初めてブルペン入り「開幕決まれば1か月ほど準備期間がほしい」

田尻耕太郎スポーツライター
PayPayドームで自主練習を行うソフトバンクの松本(右・球団提供)

 福岡ソフトバンクホークスの松本裕樹投手が25日、PayPayドームでの自主練習後にオンライン取材に応じて、現状などを語った。

 この日、投手陣は午後からの練習で「シーズンと同じように、キャッチボールや強化メニュー、ウエイトなどを行いました」と流れについて説明。「なかなか開幕が決まらない難しさはみんなあると思うけど、やりたいことや今の時期しかできないことをやっている。チームとしての雰囲気は良い」とも話した。

 また、この日は4月9日に自主練習が始まって以来、初めてブルペンで投球を行った。

「今日は40球を投げました。久々に傾斜で投げたので、まずは感覚とか、体をしっかり使って投げることを意識しました」。

 松本はドラフト1位で入団し今季6年目。昨年までの一軍通算成績は29試合に登板して4勝7敗、防御率4.29と物足りなかったが、今年はオフ期間の自主トレの成果もあり、ピッチングが激変した。特にストレートが格段に力強さを増し、3月14日のオープン戦・広島戦で152キロをマークしてまず自己記録を塗り替えると、22日のロッテとの練習試合では153キロとさらに自己最速を更新していた。

 キャンプ以降ずっと好投を続けており、開幕ローテ入りも有力視されていた。

「開幕延期が決まる前からそうなるのではと思っていたので、そこまで落ち込んだりすることはなかった。今はこの時間がプラスになればと思っています」

打者に投げていない不安がある

 シーズン開幕日は現時点では白紙。ソフトバンクの場合、チーム練習は3月30日が最後で、翌日から9日間の自宅待機を経て現在は自主練習という形で選手たちは体を動かしている。しかし、投手と野手は別々の時間帯など、いくつか制限が設けられている。

 4月23日に行われたオンライン12球団代表者会議後に、斉藤惇コミッショナーは「5月上旬の連休明けぐらいには開幕日を決めたいという気持ちは強く持っている」と言及した。もともと交流戦後のリーグ戦再開だった6月19日が有力視されているとのメディア報道もある。

 そのうえで、松本は、一人のプロ野球選手として意見を述べた。

「開幕日が決まったとしたら、1カ月ほどの準備期間は欲しいと思います。僕はピッチャーなので、3試合ないしは4試合ほど投げたい。打者に投げていないしピッチングというものは一気に上げられるものではないので」

 毎日試合に出場できる打者はともかく、投手でも特に先発は試合勘を取り戻していくための時間が一定以上必要になりそうだ。

 プロ野球を見たい。プロ野球を見てもらいたい。プロ野球にかかわるあらゆる人々が開幕を待ちわびている。一日も早くその日が来てもらいたいが、このような現場の声をしっかり吸い上げたうえで準備を進められていくことが大切だ。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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