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今季初1軍へ準備OK!ホークス中田が無失点の調整登板

田尻耕太郎スポーツライター
次回は屋根付き球場だ!(筆者撮影)

藤浪攻略6点先制も、大逆転負け

8月31日、福岡ソフトバンクホークスの2軍はウエスタン・リーグで阪神タイガース2軍と対戦した。

【8月31日 ウエスタン・リーグ タマスタ筑後 2,701人】

阪神     005000320 10

ソフトバンク 060010000  7

<バッテリー>

【T】藤浪、○谷川(3勝1敗)、石井、福永、飯田、S高野(3セーブ)――長坂、岡崎

【H】中田、二保、渡辺健、●田中(0勝2敗2セーブ)、岩嵜、川原――九鬼

<本塁打>

【H】長谷川勇5号 【T】板山8号

<戦評>

 首位ソフトバンクは2位阪神に連敗して2日連続でマジック点灯に失敗した。両チームのゲーム差は4に縮まった。

 二回に一挙6点を先制した。阪神藤浪を攻略。この回先頭の4番長谷川勇が右翼へ5号ソロを運ぶと、さらに藤浪の制球の乱れにつけ込んで2死満塁。三森が押し出し死球で追加点を挙げ、なおも2番川瀬、3番栗原が連続で2点適時打を放ってビッグイニングとした。

 しかし、投手陣が振るわない。2番手二保が登板直後に5失点。ソフトバンクは五回に長谷川勇の適時打で突き放しにかかったが、七回表に痛恨の逆転劇。4番手田中が阪神代打の板山に逆転3ランを浴びた。

 ソフトバンクは八回に1死満塁の好機を作ったが、阪神のかつての同僚の飯田に抑え込まれて反撃機を逸した。(了)

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100勝投手中田賢一、ヤフオクドームで今季初一軍登板へ

左足の位置を変えた。以前はもっと後ろに引いていた。(筆者撮影)
左足の位置を変えた。以前はもっと後ろに引いていた。(筆者撮影)

 中田賢一投手が8月20日以来となる登板で2回無失点と好投した。「ちょっと間が空いていたけど、初回はまず打者2人を内野ゴロに打ち取れたし、その後走者を出したけどセットポジションで投げられたのも良かった」と頷いた。

 今季プロ15年目のベテラン右腕は、今月28日のオリックス戦(京都)に先発で今季初の一軍登板を果たすはずだった。しかし、前日の同戦が雨天中止となり、先発予定だった高橋礼投手がスライドとなり、中田は登板機会を失っていた(結局28日も中止)。

「天気は仕方ない。次に向けて、しっかりと調整します」と自分に言い聞かせて気持ちを切り替え、この日が次のチャンスに向けた調整登板だった。2回打者9人に35球、被安打2、奪三振2、与四球1で無失点に抑えた。「全球種しっかり投げられたのも良かった」と納得の表情だ。

 今季は2軍ローテーションをほぼ守る形となっている。シーズン序盤は振るわない成績だったが、球宴明けからは3勝0敗。特に8月は2勝0敗、防御率0.95の好成績だ。現在18回連続無失点を継続している。

投球フォームを見直し安定感UP

 フォームを少し変えて臨んでいる。最初に構えた時の左足の位置を左前方にずらした。捕手に正対していたのを、体が少し三塁側に向いたイメージだ。「以前の投げ方よりも体の使い方をコンパクトにした感じですね。左足の振り幅を小さくしました」。中田といえば「暴れ馬」の異名をとるが、今季は自滅する場面がほとんどなくなった。

 もう準備はとっくに整っている。工藤監督は9月3日から行われる本拠地ヤフオクドームでの異例の7連戦の中での起用を示唆している。この日短いイニングで交代したことを考慮すれば、9月3日からの楽天3連戦の中での先発の可能性がある。

「自分がビシビシと抑えるタイプじゃないのは分かっているけど、とにかく失点を抑えて、長いイニングを投げたいです。今年チームにまだ貢献していない。どんな形でもチームの為に投げたいです」

 通算100勝の右腕が強い決意を胸に、今季初一軍マウンドに臨んでいく。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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