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ホークス岩嵜翔「兆しが見えた」完全復活へ手応えの最長2回零封

田尻耕太郎スポーツライター
14日、筑後でキャッチボールを行った岩嵜。表情も明るい(筆者撮影)

復帰後一番の手応え

 相手を寄せつけない快投だった。

 岩嵜翔投手が13日のウエスタン・リーグ中日戦(佐賀・みどりの森)に八回から登板。根尾から三振を奪うなど最速152キロをマークして打者3人で抑えると、続く九回も続投してまたも3者凡退に。右肘手術からの実戦復帰後最長となる2イニングを投げて、打者6人を完ぺきに抑えた。

「最初のイニングの感じが良かったので、久保コーチと話してもう1回行こうとなりました」

 この日が8月3日の阪神戦(鳴尾浜)以来、10日ぶりのマウンドだった。7月の実戦復帰以降、連投も回またぎもクリアしていたが登板間隔が開いていたために故障の再発を心配する声もあったが、岩嵜によれば発熱による体調不良が原因だったという。

「復帰して7試合目になりますが、一番よかったと思う。今までは一試合も納得いくところがなかった。ずっと全然よくなかったけど、今日の登板で兆しが見えたかなと思います」

肘は問題なし。課題は下半身の使い方

 1年以上もマウンドから遠ざかったことで、フォームの感覚に狂いが生じていた。メスを入れた右肘の問題ではなく下半身の使い方だ。

「打者に入っていく感覚や勢いが出ていなかった。左足の踏み込みの部分が弱いというか。以前は無意識に出来ていたこと。今日はまだ意識をしないと出来なかったけど、自分のやりたいイメージに近づいたと感じました」

 体調面は問題なく、「2回を投げたから翌日は厳しいかもしれないけど、2日後からはいつでも行ける状態ですよ」と笑みを浮かべた。

 14日の筑後の球団施設での練習でも通常どおりにキャッチボールなど行って動きを確認。「体調は問題ないので、後はメカニック(技術面)の部分だけ」。完全復活の時は、確実に近づいている。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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