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ソフトバンク石川柊太が復帰へ着々前進。「次回は座って」

田尻耕太郎スポーツライター
キャッチボールを行う石川。この後ブルペンで投げた(筆者撮影)

23日にも本格的なピッチングへ

 後半戦のキーマンになりそうな貴重な戦力が、実戦復帰へ着実に前進している。

 右肘故障から復帰を目指しているソフトバンクの石川柊太投手が、21日にHAKWSベースボールパーク筑後で投球練習を行った。16日に約3か月ぶりにブルペン入りして以来2度目。「立ち投げで30球くらい。5割~7割ほどで、前回よりも力を入れた」と振り返ったが、斉藤学リハビリ担当コーチは「8割から9割ほど力を入れていたんじゃないか」と話すほど、勢いのあるボールを投げ込んだ。

 そのうえで石川は「次回は捕手に座ってもらって投げる」との意向を示した。早ければ23日にも本格的なピッチングへと移行する。

 いよいよ実戦復帰への目途も見えてきそうだが、石川自身はコーチやトレーナーさんはその日程もある程度考えていると思うけど、僕は気にしないようにしています。そこから逆算してしまうと、自分の状態が良くない時でも無理して合わせようとしてしまうので」とペースを崩さずに状態を上げていく構えだ。また、投球フォームについても繊細な考えを持つ右腕は「まだ投げ込みが出来る状態ではないので、シャドーピッチングなどブルペン以外の練習の中で、自分の課題と向き合って悪い部分は修正をしていきたいです」と話した。

勝負どころの夏、戦力続々復帰か

岩嵜投手(右)もキャッチボールを行っていた(筆者撮影)
岩嵜投手(右)もキャッチボールを行っていた(筆者撮影)

 石川は昨シーズン、先発とリリーフでフル回転して13勝をマークした。しかし、日本シリーズ中に右肘痛を訴えて、その後改善を見せるも今年3月に悪化。4月に血小板を使って組織の修復や再生を図るPRP療法を行っていた。

 球団スタッフの中からは「今年は故障者が多いが、じつは石川の不在がかなり痛い。どんな役割もきっちり果たしてくれる貴重な存在」との声が上がっていた。仮に23日に捕手を座らせて投球練習を行いその後も順調に調整が進めば、オールスター前後にはまずファームで実戦復帰できる可能性も見えてくる。

 また、今季はとにかく故障者の多いソフトバンクだが、リハビリ組では石川以外にも、2度の右肘手術から復活を期す岩嵜翔がブルペン投球を再開している。右肘を痛めていたルーキーの奥村政稔は26日に3軍練習試合の阪神戦(鳴尾浜)での登板が内定。右肩痛だった杉山一樹も「光が見えています」と笑顔を浮かべていた。

 リーグV奪回と3年連続日本一への勝負どころとなる夏場に向けて、少しずつではあるが戦力が整っていく気配を感じさせている。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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