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ドライチ2年目のホークス吉住晴斗、収穫と課題の楽天戦

田尻耕太郎スポーツライター
2年目の吉住晴斗投手(筆者撮影)

4番黒瀬が2安打1打点

5月22日、福岡ソフトバンクホークスの3軍は練習試合で東北楽天ゴールデンイーグルスのファームと対戦した。

【5月22日 練習試合 タマスタ筑後 181人】

楽天     000101002 4

ソフトバンク 00010220× 5

※特別ルール

<バッテリー>

【E】弓削、井手、木村、森、小野――下妻、太田

【H】笠原、岡本直、吉住――堀内

<本塁打>

なし

<戦評>

 ソフトバンクが楽天に連勝した。失点直後に打線が奮起。先制された後の四回裏は大本の遊撃適時打で追いついた。勝ち越された後の六回裏は連続押し出し四死球で逆転。七回裏に4番黒瀬、6番砂川が適時打を放ち、結果的にこの得点が効いた。

 先発の笠原は5回1失点。3番手の吉住は最初の2回は完璧に抑えたが、3イニング目の最終回に失点。それでも最後は踏ん張った。(了)

吉住晴斗、収穫はフォームの修正

 ドラフト1位でソフトバンクに入団して2年目を迎えた吉住晴斗。

 22日の楽天戦の七回から3番手で登板した。2イニング目までは打者6人で抑えるパーフェクト投球。しかし、3イニング目となった九回に四球で走者を出してから3連続安打を浴びて2失点を喫した。1点差に詰め寄られて緊張感も漂ったが、最後は二ゴロ併殺打で何とかチームを勝利に導いた。

 この日、投げ方が少し変わったように映った。左足を上げた際に上半身を少し前かがみすることを意識していた。捕手方向へ向かって行く時も重心が浮かない。以前はボールが高めばかりに集まっていたが、低めにも自然と投げられる形になっていた。

「変えたというより、元に戻した……戻ったという方がいいかもしれません」

 異変を感じたのは4月9日、2軍公式戦の中日戦で先発した際だった。調子が思わしくない中で投げてフォームが崩れた。

「だから今日は少し極端に意識してみました。感じが良かったです」

味方攻撃からのマウンドに課題

 収穫を得た登板の中で、課題はやはり3イニング目の失点だ。

「今年、2軍で中継ぎをやった時も1イニングは抑えるけど、回をまたいだ時が課題でした。最初の回はブルペンからマウンドに向かえるけど、それ以降は味方の攻撃が終わってからの投球になる。ブルペンで確かめて投げるのと、どうしても違っている。自分のフォームのチェックポイントを見つけないといけないし、悪い中でもマウンドで修正できる技術を身につけないといけません」

 もともと将来性を買われての入団だ。まだ一軍登板がなくても無理に焦る必要はないが、プロ野球は結果が一番の世界である。レベルアップには段階を踏むことが必要だが、決してのんびりは出来ない。一日一歩でも前進するのみだ。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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