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中村晃が会心の本塁打!若鷹逆転、V打は2年目の増田珠

田尻耕太郎スポーツライター
若鷹スピーチでも“絶口調”!?

中村晃「今日も問題なくやれた」

4月28日、ソフトバンクの三軍は四国アイランドリーグplusとの定期交流戦で徳島インディゴソックスと対戦した。

【4月28日 定期交流戦 タマスタ筑後 853人】

徳島     002000400 6

ソフトバンク 00500004× 9

<バッテリー>

【IS】上間、河野、伊藤、パイシェン、●箭内、ヘルナンデス――横溝

【H】吉住、渡邉雄、椎野、○古谷、S重田――渡邉陸、張本

<本塁打>

【H】中村晃

本塁打を放った中村晃
本塁打を放った中村晃

<戦評>

 ホークスが集中攻撃で逆転勝ちした。

 先制された直後の三回裏、打線に火をつけたのは復帰2試合目の中村晃だった。内角寄りの甘いボールを見逃さず、打った瞬間に分かる2ラン本塁打を右翼防球ネットに突き刺した。中村晃は第1打席でもヒットを放っており2打数2安打。また、復帰戦だった前日は指名打者での出場だったが、この日は左翼の守備にも就いた。

 その後相手のミスを逃さずにこの回に一挙5得点。七回に逆転されたが、八回裏に若鷹打線が底力を見せた。1点を取って追いつくと、なおも1死満塁から2番の増田が勝ち越しの2点二塁打。さらに代打の日暮も適時打を放って勝負を決定づけた。

先発の吉住は4回2失点。制球に課題を残した。勝利投手は1回無失点の古谷。重田がセーブを挙げた。(了)

増田珠、2年目のたしかな“変化”

構えも好調の理由
構えも好調の理由

 2年目を迎えた横浜高校出身の増田珠が打撃面に成長を感じさせている。

 前日は5打数無安打だったが、同じ過ちは繰り返すまいとこの試合では3安打の活躍で決勝の右越え2点二塁打も放った。打った相手のヘルナンデスはアイランドリーグきっての速球派で、この日も150キロ台を連発していたが、まったく力負けしなかった。

「去年は140キロ台後半の球になかなか対応できずにいましたが、今年はしっかり1球で仕留められるようになっています」

 今季は2軍公式戦でも出場機会を増やしており、27試合中24試合に出場して打率2割7分1厘、3本塁打、9打点の成績を残している。4月24日、25日の阪神戦(いずれも鳴尾浜)では2試合連続アーチも放った。

「特別体が大きくなったわけじゃないけど、力はついてきたと思います」

守備でも充実

 また、構えを変えたことでバットの出方にも変化がある。昨年はヘッドを立てて大きく構えていたが、今シーズンは少し自分の身体の方向に倒してコンパクトに構えている。

「昨年はバットが遠回りしていたけど、今年はトップの位置に近いところで構えてそのままバット出すイメージです。去年はボールの力に対して自分の力で対抗してやろうとしていた。だけど、今年は出来るだけゆっくりというか静かに打ちにいくという感じで打っています」

 1月に内川聖一の自主トレに帯同し、そこで得た手応えも自分の大きな財産になっている。また、守備位置も昨年は三塁手が主だったが、今季はそれに加えて二塁手や外野手を務める機会も多くなった。外野は高校時代までずっと守っており、何の不安もない。複数ポジションを守れるユーティリティプレーヤーは今のホークスでは重宝されることが多い。

「やっぱり1軍で勝負したいですね」

 5月に20歳を迎える若鷹は大きな成長期に突入している。

※写真は筆者撮影

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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