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ホークス王貞治会長が尽力する「世界少年野球大会」、東京五輪会場の福島で今夏開催へ

田尻耕太郎スポーツライター
昨年行われた松江大会の様子(WCBF提供)

王貞治会長が今も最前線に立つ

 福岡ソフトバンクホークスの王貞治球団会長が理事長を務めるWCBF(世界少年野球推進財団)などが主催する、第29回世界少年野球大会が今年は7月30日~8月7日の日程で、福島市のあづま総合運動公園をメイン会場に行われる。

 同財団は、野球の先進国日本とアメリカをそれぞれ代表する世界のホームランキングである王貞治氏とハンク・アーロン氏が提唱して、野球を正しく全世界に普及、発展させると同時に、世界の青少年に友情と親善の輪を広げよう、との趣旨で始めた世界少年野球大会を契機に設立された。

 <最初は世界中の子どもたちを集めて野球クリニックをやろうというくらいの軽い気持ちで始めたのですが、いざ、始めてみるとこれがたいへんな大事業になってしまいました。今後、いっそう内容の充実した大会にし、世界中の子どもたちから喜ばれる素晴らしいものにしたいと考えています>と王会長は同財団の公式サイト内にコメントを寄せている。

王会長の夢が込められた大会

野球を通じて、世界の子供たちが友情を育む場に(WCBF提供)
野球を通じて、世界の子供たちが友情を育む場に(WCBF提供)

 世界少年野球大会では、世界14か国・地域から少年少女(原則10歳、11歳)を招待。野球教室には日本を含む13か国から120名の少年少女が参加するほか、中華台北からの1チーム15名が地元6チームと交流試合を行うことになっている。昨年は島根県松江市で同大会が行われ、タンザニアとルーマニアの子どもたちが初めて参加していた。また、この教室は野球経験のない子どもたちでも野球の原点に触れて楽しめる工夫がなされており、さらには小学生年代からボーダレスな世界を体験できるこれ以上ない機会となっている。

 WCBFの関係者は次のように話していた。

「王理事長はここから未来のプロ野球選手を輩出するのが夢ではなく、野球を通じて子どもたちが友情を育むこと、世界の子どもたちが繋がることを一番に考えています。世界に関心が向いたり、無関心ではなくなる。その輪がどんどん広がっていけば、世界の争いだってなくなるかもしれない。それが最終目標です」

東京五輪の会場で、この夏の思い出づくりを

 今夏の会場となった福島市・あづま総合運動公園は、2020年の東京五輪で野球・ソフトボールの会場となる。

 WCBFでは今大会の「野球教室全国枠参加者」として30名を募集している(福島県内枠は別途実施)。

 応募資格は2019年7月30日現在で満10歳、満11歳の日本国籍者で、野球と国際交流に興味のある少年少女。なお、過去の大会の参加者は応募できない。また、滞在費や参加費は無料(指定された駅や空港までは各自負担)となっている。

 参加希望者はその動機などを作文にし、世界少年野球推進財団 福島大会の事務局宛て(下記参照)に郵送することになっている。締め切りは4月15日(月)必着。大会詳細などはWCBFの公式サイトを参照。

 

宛先(お問い合わせ先)

〒102-0074 東京都千代田区九段南4-2-10 小林ビル2F

一般財団法人 世界少年野球推進財団 福島大会係

電話・03-5212-4466 E-mail wcbf@wcbf.or.jp

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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