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「日本人離れしたスタントン!?」21世紀生まれのルーキーは、珍発言も飛距離も柳田クラス

田尻耕太郎スポーツライター
一番左が水谷瞬。ナイジェリア人と日本人のハーフ。体格は既に一級品(筆者撮影)

個性派ぞろいの逸材たち

 6日、秋のドラフトで福岡ソフトバンクホークスから指名された11名の来季入団選手の新入団発表記者会見が、福岡市内のホテルで行われた。

 鷹の未来を担うスター候補生たちは今年も個性派ぞろいだ。

 1位入団の甲斐野央(東洋大)は最速159キロの剛腕。「球質が大事なのは分かっているけど、スピードにもこだわりたい」と、日本人最速の166キロにも思いを馳せる。

 2位入団の杉山一樹(三菱重工広島)は配られたアンケート用紙に「自分大好き」と答えていた。囲み取材の中で話題になると、「きつい練習が好き。それを頑張って乗り越えようとする自分が大好きなんです(笑)。フル回転で頑張ります」と報道陣の笑いを誘っていた。

 ただ、球団ファンクラブの会員も出席した入団発表の場で見事(?)笑いをとったのは、5位入団の水谷瞬(石見智翠館高)である。

「ホークスのユニフォームはテレビで見ていました。(実際に着てみて)カッコいい。徐々に実感わいてきました。僕は長打力も特徴だと思いますが、足も自信があります」と、このあたりまでは良かったのだが、注目すべきは目標とする選手に話題が移った後だ。

「ヤンキースのスタントン選手です」

 米大リーグを代表するスラッガーの名を挙げ、会場をどよめかせた。20代にしてメジャー通算300発以上の本塁打を放っており、昨年は59発で自身2度目の本塁打王を獲得した選手だ。

思い出した柳田悠岐の入団発表

 そして水谷は理由を話し始めた。

「日本人離れしたパワーがある、その体勢からあの飛距離を打つのか、と」

 ん??と会場中の空気が変わった。いやいや、スタントンはそもそもアメリカ人だから「日本人離れ」って・・・。

 ところで入団発表の珍発言といえば、思い出すのは柳田悠岐だ。2010年12月の会見の席上で当初の背番号44について印象を聞かれた時、ちょっとニヤリとしながら「獅子舞・・・ですか?」と答えて爆笑を呼んだのだった。

21世紀生まれがついにプロへ

 水谷も高校時代に甲子園経験はないものの、140m級の本塁打をかっ飛ばすなどのパワーを持っており、ホークスのスカウトが惚れ込んで獲得した逸材だ。奇しくもスタントンが昨季放ったのと同じ「59」の背番号でプロ生活をスタートする。

「身長192cmってなってますけど、最近計ってない。周りが止まっても、僕はずっと伸び続けているんです」

 足の大きさも31cmと何から何まで規格外。

 また、水谷の生年月日は2001年3月9日。ついにプロの世界にも21世紀生まれがやって来た。来年から元号も変わる。新時代のヒーローになるという条件はバッチリ揃っている。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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