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ホークス3軍、黒瀬健太が8月打率4割超え「楽天のオコエのバットで」

田尻耕太郎スポーツライター
高校通算97発の実力者、本格覚醒が待ち遠しい(筆者撮影)

中村晨、制球定まらず5失点

8月21日、福岡ソフトバンクホークスの3軍は四国アイランドリーグとの定期交流戦で徳島インディゴソックスと対戦した。

【8月21日 ウエスタン・リーグ タマスタ筑後 254人】

徳島     003120100 7

ソフトバンク 000000000 0

<バッテリー>

【IS】○竹内、鎌田――垂井

【H】●中村晨、児玉、渡辺健、齋藤――堀内、樋越

<本塁打>

【IS】瀬口

<戦評>

 ソフトバンク3軍は完封負け。四国リーグの後期で10勝2敗2分と首位独走する徳島にねじ伏せられた。

 先発した中村晨が前回登板に続き乱調だった。3回、瀬口に3ランを浴びて先制点を許すと、その後も失点を重ねた。5回を投げて被安打は4本も、毎回の7四死球でリズムを作れなかった。中村晨は12日のHonda戦(釧路)でも10失点を喫していた。

 打線は4安打を放ったのみ。7回無死一、二塁の好機を作るも、森山と幸山が連続見逃し三振に倒れるなど振るわなかった。

ソフトバンク3軍は4連敗。(了)

今秋ドラフト上位候補も打った

 高校通算97発男の黒瀬健太が、完封負けを喫したチームの中で唯一2安打と気を吐いた。

 8月は打撃好調だ。9試合に出場し27打数11安打、打率.407をマークしている。先日まで行われた北海道遠征。10日の日本体育大学戦では3打数2安打1打点、12日にHonda戦も4打数3安打1打点と固め打ちを見せた。

なかでも日体大戦は今秋ドラフト上位候補の松本航、東妻勇輔の両右腕から1安打ずつを記録した。

黒瀬は「吉本(亮)コーチとやっている打撃ができている。ミートポイントが前過ぎたのを、しっかり体の中でとらえられるようになりました」と明るい表情を見せた。

吉本コーチと二人三脚

「スイングの軌道も昨年までは『上から、上から』の意識が強すぎて、“線”ではなく“点”でとらえる形だったけど、今はアッパースイングでもいいくらいの気持ちで振っていることで改善された。それに柔らかく振れる感覚も思い出しました」

 また、北海道遠征の前から楽天のオコエ瑠偉のバットを使用している。

「以前は城島(健司)さんモデルのバットでした。それはトップバランスでしたが、ミドルバランスのオコエのバットを持った時にこっちが合うなと感じたんです」

 オコエは同い年。7月にタマスタ筑後で対戦した際に再会していた。「オコエのバットは硬い木を使っている。手の衝撃は大きくなるけど、折れにくいし弾きもいい」。

関川3軍監督が明かしたデータ

 関川浩一3軍監督からは打席のデータも見せられた。春先は変化球対応が課題で、特に外角スライダーは打率1割未満だったが、この夏場は打率3割後半と大きく改善した。「数字を見せてもらい改めて気づきました。自信にもなります」。その効果には関川3軍監督もニンマリだ。

 未来の大砲と期待され迎えた3年目。2軍公式戦は25試合出場で、打率.130、1本塁打、7打点と振るわない。5月24日を最後に出場もない。

 シーズンは残り約1か月。残された時間の中で、全力アピールあるのみだ。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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