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大竹半端ないって! ウエスタン単独トップ6勝目&勝率10割

田尻耕太郎スポーツライター
6勝目を挙げた大竹耕太郎投手(筆者撮影)

4番栗原が3打点

6月24日、ソフトバンクはウエスタン・リーグで中日と対戦した。

【6月24日 ウエスタン・リーグ タマスタ筑後 2,331人】

中日     000000010 1

ソフトバンク 00320000× 5

<バッテリー>

【D】●鈴木翔(0勝5敗)、福、山本拓、伊藤準――松井雅

【H】○大竹(6勝1セーブ)、五十嵐――谷川原、堀内

<本塁打>

なし

<戦評>

 ソフトバンクが快勝して2連勝を飾った。3回、2死満塁から4番DHの栗原が右翼線に走者一掃の3点二塁打を放ち先制。4回にも満塁機を作ると城所の押し出し四球、釜元の振り逃げの間にももう1点追加するラッキーな形で相手を突き放した。

 先発の大竹は8回1失点でリーグ単独1位の今季6勝目。最後は五十嵐が連投で締めくくった。(了)

大竹耕太郎はチームきっての知性派

 <大竹半端ないって。

 あいつ半端ないって。

 育成ルーキーなのにめっちゃ勝つもん。

 また×6勝ったし。

 無敗やし。

 6回までノーヒッターやし。

 そんなんできひんやん、普通>

 育成ルーキー左腕の大竹耕太郎が会心の投球。今季負けなしの6勝目を飾った。

 快記録さえ予感させるピッチングだった。6回までノーヒットノーラン投球。許した走者は四球1つのみとまるで隙がなかった。7回の先頭打者に左前打を許し、さらにプロ入り後自己最長となる8イニング目に失点を喫した。それでも8回を91球で投げ切り、被安打3、奪三振6、与四球1、失点1の堂々たる内容。白星を手にした。6勝は、ウエスタン・リーグの単独トップだ。

「同じ失敗は繰り返さない」

「前回の試合は5回2失点(勝利投手)でしたが、配球の面で課題がありました。同じ失敗を繰り返してはいけない。いつもは捕手と当日に打ち合わせをするのですが、昨日のうちに(捕手の)谷川原に連絡をして話をしました。僕は140キロに届かないような球で打ち取っていく投手です。ボールの質を高めないといけない。意図を持った球はボールの質もいいと思います」

 大竹は、地元熊本で屈指の進学校である済々黌高校で甲子園に出場し早稲田大学に進学。そんな経歴から想像できるように、チームきっての知性派投手だ。

 一方でピッチングでは強気な一面も見せる。この日も左右の打者関係なく、インコースを厳しく攻め、その制球力が素晴らしかった。

「僕はバッティングも好きなので、打者目線で考えるんです。インコースに投げて来ないピッチャーは怖くない。怖さがなければ、変化球も生きない。それに左腕投手は左打者のインコースに投げるのを苦手にする人が多いですが、僕は全く苦にならないんです。それが僕の取り柄、長所だと思っています」

1年目から支配下勝ち取る覚悟

 アマチュア時代の実績を考えれば、育成枠でのプロ入りは相当勇気のいる決断だったに違いない。それでも「プロ野球に進みたい」という強い願望があった。

「1年目から支配下登録を勝ちとるという目標でずっとやっています。7月31日の期限まで(およそ)残り1か月。必死にアピールしていきたいです」

<あれは支配下枠に入るな…>

 そんな声もそろそろ聞こえてきそうだ。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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