Yahoo!ニュース

春休みの親子連れ必見! 開幕直前こそ「2軍戦」で、おトクに豪華投手戦を観戦

田尻耕太郎スポーツライター
27日に由宇球場で行われる2軍戦で先発予定のソフトバンク東浜(筆者撮影)

開幕ローテ投手の最終調整

 25日(日)までに各球団はオープン戦を終えて、今週末の30日(金)からはいよいよペナントレースが開幕する。

 世間は春休みの真っただ中。球場はたくさんの親子連れで賑わうだろう。

 しかし、プロ野球のチケットはそんなに安くはない。贅沢にバックネット裏で観戦しようと思えば、1枚5000円以上することは覚悟しなければならない。両親と子供2人で行けば2万円以上の出費だ。球場でプロ野球を生観戦する感動と興奮を上質なシートで味わえるのだから、その価値がないとは言わないが、二の足を踏んでしまう野球ファン一家も少なくないはずだ。

 ならば、ぜひ、27日(火)~29日(木)に「2軍戦」を観戦に行くのをおススメしたい。

「2軍の選手なんて誰も知らないし」などと言うなかれ。この3日間は、1年間の中でも特にお得感のある2軍観戦となっているのだ。

 冒頭に記したように、25日(日)まででオープン戦が終了し、30日(金)のペナントレースの開幕までは空白期間が、ちょうどそこである。

 選手たちにとっては試合の疲れを一旦取り除き、本番に向けた最中調整を行う大事な時間になる。多くの選手たちにはそれでいいのだが、困るのは先発投手だ。先発投手は基本的に「中6日」のローテーションでシーズンを戦っていくため、オープン戦の登板日はそれに逆算する形で調整登板を続けてきた。たとえば、30日(金)に開幕投手を務める投手の多くは23日(金)のオープン戦に登板していた。

昨年は阪神・秋山や藤浪、広島・野村、オリ山岡らが登板

 シーズン開幕2カード目、4月3日(火)から4日5日(木)のあいだにはどのチームも2連戦、もしくは3連戦が組まれている。そこで先発を任される投手はちょうど1週間前に投げたいのにすでにオープン戦が終わってしまっているのだ。

 だから、「開幕ローテ」を任される彼らは、2軍に調整の場を求める。

 昨年の同時期を振り返ってみると、次の通りだ。

2017年3月28日(火)

ロッテ・石川×ヤクルト・ブキャナン

巨人・宮國×西武・多和田

DeNA・濱口×日本ハム・高梨

阪神・藤浪×オリックス・ディクソン

ソフトバンク・大隣×広島・野村

中日・若松×楽天・戸村

2017年3月29日(水)

ロッテ・スタンリッジ×ヤクルト・山中

巨人・高木勇×西武・高橋光

DeNA井納×日本ハム・加藤

阪神・秋山×オリックス・松葉

ソフトバンク・武田×広島・床田

中日・小笠原×楽天・釜田

2017年3月30日(木)

ロッテ・佐々木×ヤクルト・館山

巨人・今村×西武・本田

DeNA三嶋×日本ハム・斎藤

阪神・青柳×オリックス・山岡

ソフトバンク・山田×広島・加藤

中日・山井×楽天・森

 この時期にしか2軍戦ではお目にかかれなかった先発投手が散見される。阪神の秋山拓巳やDeNAの濱口遥大は昨季2桁勝利をマークした投手たちだ。

 今年の日程は以下の通り。

2018年3月27日(火)

ロッテ×日本ハム(ロッテ浦和)13:00

巨人×ヤクルト(ジャイアンツ)13:00

DeNA×西武(ベイスターズ)13:00

中日×オリックス(ナゴヤ)12:00

広島×ソフトバンク(由宇)12:30

2018年3月28日(水)

ロッテ×日本ハム(ロッテ浦和)13:00

巨人×ヤクルト(ジャイアンツ)13:00

DeNA×西武(平塚)13:00

中日×オリックス(ナゴヤ)12:30

広島×ソフトバンク(由宇)12:30

2018年3月29日(木)

ロッテ×日本ハム(ロッテ浦和)13:00

巨人×ヤクルト(ジャイアンツ)13:00

DeNA×西武(平塚)13:00

中日×オリックス(ナゴヤ)12:00

広島×ソフトバンク(由宇)12:30

概ね1000円前後。入場無料の球場も!

 たとえば、ソフトバンクでは東浜巨が27日(火)の広島戦(由宇)で先発し、翌日の同カードにはバンデンハークが登板することが濃厚といわれている。

 2軍戦は多くの球場がバックネット裏席でもチケット代は1000円前後、こども料金も設定されていることが多い。また、上記ではベイスターズ球場とロッテ浦和球場、由宇球場については入場無料となっている。

 1軍のスタジアムのような迫力ある演出や立派な座席はないが、選手との距離感がとても近いことなどから、2軍観戦の方を好むプロ野球ファンも少なからずいる。

 きっかけがなければ足を運ぶ機会の少ない2軍戦。これを機に球場へ行ってみるのはいかがだろうか。そしてプロ野球生観戦の魅力を再確認して、今シーズンまた何度でもぜひ球場で応援の声を上げてほしい。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

田尻耕太郎の最近の記事