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侍・稲葉監督「この中からプロや代表に」 12球団ジュニアT開会式にサプライズ登場

田尻耕太郎スポーツライター
サプライズゲストの稲葉監督は、開会式で始球式も務めた(筆者撮影)

楽天松井や巨人田口ら多数プロを輩出

 外は大雪。午前7時過ぎの札幌ドーム。

 しかし、グラウンドには熱い思いが満ち溢れていた。

 27日、「NPB12球団ジュニアトーナメントsupported by 日能研」が開幕し、朝から開会式が行われた。

 12球団ジュニアトーナメントは今年が第13回目大会を迎えた。第1回大会出身者には近藤健介(日本ハム、当時ロッテJr.)や高山俊(阪神、当時ロッテJr.)がおり、その後も松井裕樹(楽天、第3回横浜Jr.)、田口麗斗(巨人、第3回広島Jr.)、オコエ瑠偉(楽天、第5回巨人Jr.)らが名を連ねる。

稲葉監督「みんないい目をしていた」

「子どもたちの熱気を感じました。みんないい目をしていましたね。プロと同じ、憧れのユニフォームを着て札幌ドームのグラウンドに立てる。自分の子供時代を考えると、羨ましいとすら感じました」

 笑顔で語ったのは侍ジャパントップチームの稲葉篤紀監督だ。

 この日の開会式にサプライズゲストとして登場した。マイクの前では「日頃の練習の成果を発揮して、その球団と同じユニフォームを着ているという誇りも胸に戦ってほしいです」とまず挨拶。そして「また、この年末まで野球が出来ること、そして親へ感謝をしてください。そしてこの中から一人でも多くプロ野球選手、そして侍ジャパンのユニフォームを着る選手が出てきてほしいです」と熱いメッセージを送りました。

目標設定が大切。その機会を作る大会

選手宣誓はDeNA Jr.伊藤光輝主将と阪神Jr.長岡 真一郎主将(撮影筆者)
選手宣誓はDeNA Jr.伊藤光輝主将と阪神Jr.長岡 真一郎主将(撮影筆者)

 開会式ではセレモニアルピッチも行った。

「この世代のうちからプロに入りたいという意識を持つことは大事だと思います。プロ、そしていつかは代表に入りたいと思っていれば、おのずとやるべきことだったり足りないことだったりが見えてきます。僕自身も小学6年生の頃はプロ野球に憧れていました。愛知出身なので中日ドラゴンズのファンで、田尾選手や平野選手に憧れていました。目標を立てることは大切です。また、この大会からプロ野球選手も出ていますし、非常にレベルが高い大会だと聞いています。ジュニアトーナメントに出るという目標があることも、野球界にとってはいいことだと思います」

 ジュニアトーナメントはこの日の広島Jr.対ロッテJr.を開幕戦に、29日まで行われる。“本家”と同様にソフトバンクJr.が8年ぶりの優勝をさらうのか。それとも同じグループDに入ったDeNA Jr.が日本シリーズの雪辱を果たすのか。はたまた過去最多3度の優勝を誇る巨人Jr.が3年ぶりに覇権奪回するのか。稲葉監督も「楽しみです」と未来のスター候補たちの戦いを眺めていた。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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