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愛甲氏、湯上谷氏らOBと交流「第1回プロ野球ファンミーティングin福岡」

田尻耕太郎スポーツライター
左→高橋和氏、太田氏、吉良氏、高橋秀氏、三浦氏、愛甲氏、木村氏、小林氏、湯上谷氏

発起人の元西武・太田氏の思いとは

かつてフェンスの向こう側で眩しいカクテル光線を浴びながら輝いていた名プレーヤーたちが、すぐ隣で笑顔を向けてくれる。

プロ野球OBとプロ野球ファンの交流イベント「第1回プロ野球ファンミーティングin福岡」が26日に福岡市内で開催された。九州にゆかりのあるOB勢に加え、ロッテや中日で活躍した愛甲猛氏も東京から駆けつけた。

発起人となったのは元西武ライオンズの太田浩喜氏。ほとんど馴染みのない選手かもしれないが、まだ中学校3年生だった時、しかも野球経験もない陸上部ながら、クラウンライターライオンズの入団テストを受けて見事合格。変わり種のプレーヤーとして当時話題を呼んだ。

太田氏は19歳で現役を引退したが、現在も「プロ野球OBクラブ」に籍を置き、福岡県の代表幹事として野球教室や大会運営を行うなどして野球振興に力を注いでいる。その中で常に「野球人口の減少」に危機感を抱き、また「大人の野球ファンの方々との交流の場の少なさ」も感じていた。

元ハム、南海の三浦氏「感謝の気持ちを恩返し」

プロ野球OBクラブの協力で多くのサインボールなどが抽選会に提供された。左から小林氏、三浦氏、太田氏
プロ野球OBクラブの協力で多くのサインボールなどが抽選会に提供された。左から小林氏、三浦氏、太田氏

東京など首都圏ではプロ野球OBクラブの賛助会員向けのふれあいイベントなどは開催されていたが、地方都市ではなかなか実現が難しかった。「プロ野球OBクラブ自体の知名度もなかなか上がらず、地方では賛助会員の肩もまだ少ないのが現状です」(太田氏)。そのため、太田氏は今回、自力でイベントを実施することを決意。有志とともに準備を進めて、この日の開催に至ったのだった。

この日参加したOBは太田氏、愛甲氏のほかに三浦政基氏(元日拓、日本ハム、ヤクルト、南海、大洋)、湯上谷ひろ(※)志氏(元南海、ダイエー)、木村茂氏(元ダイエー)、高橋和幸氏(元ダイエー、ソフトバンク)、小林亮寛氏(元ロッテ、米独立リーグや台湾など)、高橋秀聡氏(元ソフトバンク)、吉良俊則氏(元近鉄、オリックス)

開演に伴い、三浦氏から「我々プロ野球OBが現役時代にどれだけたくさん応援していただき、ご支援をいただいたか。そのおかげで我々はプレーが出来ました。その感謝の気持ちをどうにかして恩返しできないだろうかと、考えて今回のファンミーティングを開催することになりました」と挨拶。

愛甲氏の饒舌トークにファン喝采

現役時代に師と慕った落合博満氏とのエピソード話は特に沸いた
現役時代に師と慕った落合博満氏とのエピソード話は特に沸いた

その後はプロOBとファンが一緒に食事とお酒を楽しみながら、お喋りや記念撮影などで交流。懐かしい野球カードやユニフォームを持参するファンの姿も多く見られた。トークショーでは愛甲氏によるお馴染みの歯に衣着せぬ饒舌トークでファンから喝采も上がっていた。愛甲氏も「東京で行うイベントよりも、ファンの方々がいい意味で慣れていない感じもあってすごく新鮮で楽しかったです。いい一日になりました」と目じりを下げていた。

太田氏は「100名ほどのファンの皆さんに集まっていただき、第1回は大成功に終わりました。今後も第2回、第3回と続けてやっていければと考えております。また、プロ野球OBクラブの認知度も高まっていけば、なお嬉しいですね」と笑顔で語っていた。

最後は皆で記念撮影。「楽しかった」「大満足でした」との声があちこちから聞かれた
最後は皆で記念撮影。「楽しかった」「大満足でした」との声があちこちから聞かれた

※湯上谷氏の名前の「ひろ」は立ヘンに、紘のツクリ

●写真はすべて筆者撮影

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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