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ソフトバンク入団の18歳キューバ人育成は「大谷級」の二刀流だ!

田尻耕太郎スポーツライター
入団会見での一枚。右が「二刀流」コラス。左はモイネロ

サプライズ獲得の逸材

獲得発表から約2週間。

謎のベールに包まれた、ソフトバンクに新入団するキューバ人育成選手が23日、ヤフオクドーム内のプレスカンファレンスルームで入団会見に臨んだ。

遡ること今月10日にソフトバンクは二人のキューバ人選手を育成枠で獲得することを発表した。

一人はリバン・モイネロ(21歳)だ。彼は今年3月のWBCに出場しており、侍ジャパンと同組で予選リーグを戦っていた。また、少し前に獲得報道も出たために大きな驚きはなかった。

ただ、もう一人の名前は報道にも出ておらず、球団発表で初めて明らかになった。

左投左打。17歳で国内トップリーグデビュー

育成選手の入団会見だったが、注目度は高かった
育成選手の入団会見だったが、注目度は高かった

18歳のオスカー・コラス。球団資料によればポジションは「内外野手/投手」の二刀流プレーヤー。左投左打。身長186cm、体重95kgの大型選手。

昨年、17歳でキューバ国内リーグデビューを果たした。23試合出場で79打数22安打(打率.278)、4本塁打をマークしている。盗塁は0、四球10、三振14の内容だった。

会見に臨んだ両選手。コラスはやはり大柄で、いかにも投げれば速球派、打てば長距離タイプという選手に映った。

「日本を代表するチームの一員になれてうれしい。打撃はもちろん、質のいい球を投げて、キューバにはこんないい選手がいるんだというところを見せたい」と抱負を語った。

二刀流宣言だ。質問で大谷翔平の名前が出ると「彼がすごい選手であることは知っています。彼のような選手になりたい」と表情を引き締めた。

中南米スカウトの証言「とにかく飛ばす」

ソフトバンクの萩原健太中南米担当スカウトはこう証言する。

「とにかく飛距離がすごい。練習を見ましたが、日本では18歳であれだけ飛ばす選手はいないと思います。140m級くらいの打球は打っていました。同じキューバ人選手で例えるならば、大リーグのホワイトソックスでホセ・アブレイユのような選手ですかね」

アブレイユは16歳から国内リーグでプレーし、第3回WBCでは3本塁打を放った。同年に亡命し、‘14年から大リーグでプレーしている。3シーズンで91本塁打を放ったメジャーリーグを代表するスラッガーだ。

「国内のトップリーグでは野手のみの出場でしたが、23歳以下の国内リーグでは投手として登板もしています。最速93マイル(約148キロ)をマークしました。また、メジャーリーグで『大谷に次ぐ最高の選手』と評されたルイス・ロベルトという選手がいますが、キューバの18歳以下代表チームではコラスが4番で、ロベルトが3番を打っていました。年齢はコラスの方が1歳年下にもかかわらず、です」

コラスは先週水曜日まではキューバ国内で実戦を行っていたとのこと。早ければ今月中にもホークスの三軍で実戦出場する可能性があり、プレーを見られるのが待ち遠しいところだ。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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