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高橋純平「刺激になった、楽しかった」も、中日小笠原とのライバル対決でプロ初黒星

田尻耕太郎スポーツライター

首位攻防は2位中日が勝ち越し「0.5差」に

7月31日、ホークスの2軍は佐賀市のみどりの森県営球場でドラゴンズと対戦した。

【7月31日 ウエスタン・リーグ 佐賀・みどりの森 2,474人】

中日     000034000 7

ソフトバンク 000002000 2

<バッテリー>

【D】○小笠原(3勝2敗)、又吉、浅尾――赤田、木下

【H】●高橋(2勝1敗)、巽、寺原、バリオス――斐紹

<本塁打>

なし

<戦評>

5回に均衡を破った中日打線が猛威を振るった。相手ミスの間に先制点を奪うと、2番溝脇が押し出し四球を選び2点目。続く谷がタイムリーを放ってこの回3点を奪った。6回は赤田(三塁打)、近藤(二塁打)、井領(三塁打)の3者連続長打などで一挙4得点。勝利を引き寄せた。

中日先発の小笠原は5回までゼロを並べる快投。6回2失点で3勝目を挙げた。

一方、「ドラ1対決」で注目されたソフトバンク先発の高橋も4回までは零封の好投も、5回に突如乱れて回の途中でマウンドを降りた。3失点で負け投手となり、公式戦6試合目の登板で初黒星を喫した。

打線も元気がなく、6回に江川の2点タイムリーで反撃するのがやっとだった。

ウエスタン首位攻防3連戦は中日が2勝1敗と勝ち越し。首位ソフトバンクと2位中日のゲーム差は「0.5」と肉薄した。 (了)

高橋純平「右と左で違うけど、小笠原はライバル」

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先発した高橋(上)と小笠原(下)
先発した高橋(上)と小笠原(下)

「前回のピッチングよりもストライクが先行できたし、4回まではいい感じで投げられたと思います」

ホークス先発の高橋純平は、試合後の取材ではプラス材料から振り返った。

確かに、序盤は投手戦が繰り広げられた。4回まで許した安打は2本のみ。最速は150キロをマークし、走者を出してもゲッツーで切り抜けた場面もあった。

「疲れはなかった」というが5回に突如乱れた。「先頭にフォアボールを与えたのが反省点です。不運な内野安打もあったが、3失点(自責2)。痛恨の押し出し四球もあった。

いつか、日本シリーズで対決を

そして同じマウンドで投げ合ったのは小笠原慎之介だった。ドラフト1位同士でもあり、昨年のU18日本代表でともにプレーして親交を深めたという。

「先日は筑後で佐藤世那(バファローズ)と投げ合いましたが、昨年の代表で一緒になったときに仲良くしていたので、より楽しんで投げました」

小笠原は昨夏甲子園の優勝エース。高橋は最後の夏を県大会で終えたが、高校ナンバーワンと評価が大きかったのは高橋の方だった。小笠原は、高橋へのライバル心を隠さない。

一方の高橋は何を思うのか。

「野球を通じて友達になった。右と左は違うけど、刺激をくれるライバルですね。アッチは1軍も経験しているし、いいライバルだと思っています」

奇しくも公式戦の初黒星を喫したのが小笠原との投げ合いとなった。

ドラフト後には新聞での対談で「日本シリーズでの対決」を望んでいた2人。初顔合わせは2軍戦となってしまったが、その夢がいつか叶うことを願う。そうなれば、プロ野球がまた一層盛り上がるはずだ。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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