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2軍ではもったいない? 東浜、中田が零封共投! 1軍先発へアピール

田尻耕太郎スポーツライター

真砂「人生初!?」サヨナラ!

サヨナラ打を放った真砂(右から2人目)
サヨナラ打を放った真砂(右から2人目)

【3月31日 ウエスタン・リーグ タマスタ筑後 1,657人】

阪神     000000000   0

ソフトバンク 000000001×  1

<バッテリー>

【T】守屋、ドリス、●石崎(0勝2敗1セーブ)――小宮山、鶴岡

【H】東浜、○中田(1勝0敗)――細川

<本塁打>

なし

3回裏の前に、マウンドには乾いた砂が入れられた
3回裏の前に、マウンドには乾いた砂が入れられた

<戦評>

ホークスがサヨナラ勝ち。開幕戦に続き2度目。

0対0のまま迎えた9回裏、先頭の牧原大成が左前打で出塁。2アウト後、釜元豪の内野安打で一、三塁とし、代打で登場した真砂勇介がフルカウントからの直球をレフト前に弾き返して試合を決めた。

投げては先発の東浜巨が5回1安打無失点。2番手で登板した中田賢一が4回2安打無失点と完封リレーを決めた。

タイガースは先発した2年目サイド右腕の守屋功輝が140キロ台中盤の力強い直球を中心にホークス打線を6回無失点と封じ込めた。2番手のドリスも最速153キロをマークして2回無失点。しかし、最後は石崎剛が踏ん張れなかった。

中田、予定イニング延長も無失点

中田賢一がウエスタン2試合目のマウンドに上がった。

過去2年間先発ローテを守った右腕だが、今年2月のキャンプ中に打撃投手を行った際に右前腕に張りを訴え、3月からはファームで調整を続けている。

3月26日のウエスタン中日戦(ナゴヤ)で今季実戦初登板。2回無失点と好投していた。

以来、中5日でのマウンドは3イニングが目途だったが、「球数が少なかったので延ばした」と4回を投げて無失点。被安打2、奪三振2、与四死球2の内容だった。

好投した中田
好投した中田

試合前から雨が降り続く中の登板で、マウンドに上がった時にはすでに乾いた土が入れられた状態だったが、「気にはなったけど、バランスよく投げられた」と納得の表情。直球は最速148キロをマークし、「不安なく投げることが出来ています」と順調ぶりをアピールした。

今後は1軍昇格を見据え、イニングや球数を増やしていく構え。「最短で呼ばれるような準備はするけど、焦らない」とベテランらしく落ち着いた口調で話した。

東浜、オフトレの成果

先発で5回無失点の東浜
先発で5回無失点の東浜

先発した東浜巨はタイガース打線を力で抑え込んだ。5回1安打無失点。与四球3つなど3ボールになる場面がやや目立ったが、最速は146キロをマーク。ストレート、ツーシームなど直球系を中心に組み立てて抑えたのは好材料だった。

オフの間に体の強化に努め、パワーピッチングに磨きをかけてきた成果が出始めている。「シーズンが始まったけど、ウエイトは継続して取り組みたいし、ボリュームも増していけるように」と意欲的だった。

若鷹外野手に明暗…上林「人生で一番」

サヨナラ打を放ったのは真砂勇介。「記憶にない。人生初かな」と笑顔を見せた。

ここまで45打数15安打、打率.333と好調。3月24日のオリックス戦(神戸サブ)では1号ソロも放っている。「去年までは『打てるかな』とか『結果を出さなきゃ』という気持ちで臨んでいましたが、台湾でのウインターリーグや春季キャンプを経て、少しずつ自信を持ってプレーできるようになったのが一番の違いだと思います」と話していた若鷹。プロ4年目、1軍デビューへ好調を持続したいところだ。

一方で絶不調なのが上林誠知。昨季1軍でも3割を打ち、ウエスタンでは首位打者を獲得したバットマンが、まさかの打撃不振に苦しんでいる。この日4打数ノーヒットで7試合快音がら遠ざかった。打率もついに1割を切って.091となった。リーグ規定打席到達選手の中では最下位だ。

22日のオリックス戦(神戸サブ)で足に死球を受けて途中交代した影響かと気になるが、本人は「関係ない」と否定。「人生で1,2を争う不調です。1つは最後の夏の甲子園とその後の高校日本代表…、いやそれを上回るかもしれません」。

ただ、これも成長痛。乗り越えた先に、また1つも2つもレベルアップした上林が見られることを期待したい。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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