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10年目初の開幕スタメンへ! ホークス福田秀平はイチ、ムネ魂で挑む

田尻耕太郎スポーツライター

仙台は気温1桁

寒い。覚悟はしていたが、寒いものは寒い。

開幕前日の24日、ホークスは開幕戦の地仙台で全体練習を行った。午後3時半の練習開始時からすでに気温は1桁台。午後7時前に練習が終わる頃には真っ暗で、気温5℃まで下がっていた。

帰りのバスに向かうホークスナインも肩をすくめるように歩いていたが、とびきり明るい表情で報道陣の質問に応えていたのが福田秀平だった。

練習中から笑顔の多かった福田(左)
練習中から笑顔の多かった福田(左)

「いいシーズンになる」

25日の開幕戦、1番ライトでの先発出場が濃厚だ。

実現すればプロ10年目で嬉しい初めての開幕スタメンとなる。

「10年間やってきてキャンプ、オープン戦と順調にA組で過ごせたのはあまりなかったですからね。いいシーズンになることを楽しみにしています」

怪我に泣いてきた。特に膝の故障は一時深刻で、2年前のシーズンは1軍出場ゼロだったこともある。昨季、1軍に戻ってきた福田は「野球が出来ることに感謝」と言った。

日本シリーズで打率4割超

昨季は自身2番目に多い84試合に出場。183打席に立った。シーズン打率は.232と振るわなかったが、日本シリーズでは5試合中3試合でスタメン出場して打率.417(12打数5安打)、出塁率.533、2打点、2盗塁と日本一に貢献する活躍を見せた。

今季は若手有望株の上林誠知との競争からスタート。それを勝ち抜いてチャンスを掴んだ形だ。オープン戦では17日にファイターズ戦(鎌ケ谷)で、大谷翔平から先頭打者本塁打を放っている。

準備は整っている。

理想の1番はイチロー、ムネ

「僕の1番打者像は、イチローさんやムネ(川崎宗則)さんのように打って出る。ボールをじっくり見ていくのではなく積極的にいくこと。オープン戦ではそれを再確認しました」

たしかに、大谷からの一発は初球をとらえたプレーボール弾だった。

「積極的に、恐れず、前に進みたい」

ホークスの開幕戦は、他の試合よりも早い16時開始。2016年のプロ野球で、福田が最初に打席を迎えることになる。「あ、たしかに(笑)」。臆することなく、初球から勝負を仕掛ける覚悟はできている。

福田の一振りから、ホークスの3連覇への道がスタートする。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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