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新記録のウエスタン14連勝ならず…ホークス、V争うカープに痛恨逆転負け

田尻耕太郎スポーツライター
スコアボードを向こうに、うなだれてベンチに戻る上林誠知(一番手前)ら鷹ナイン

7回に逆転を許す

9月8日(火)、ウエスタン・リーグ公式戦で首位の福岡ソフトバンクホークスは、本拠地雁の巣球場で2位・広島東洋カープと直接対決した。

広島     010001411 8

ソフトバンク 030000110 5

<バッテリー>

【C】野村、◯九里(3勝5敗)、佐藤、辻、Sザガースキー(9セーブ)――磯村

【H】坂田、●巽(0勝3敗)、加治屋、バリオス、金無英――鶴岡

<本塁打>【C】ロサリオ4号・5号、美間7号

【戦評】

ホークスは終盤にリリーフ陣がつかまり逆転負けを喫した。先制された直後の2回裏に牧原大成の左翼線3点三塁打で試合の主導権を握り返したが、7回表から登板した2番手の巽がカープ打線につかまった。上本に同点打を浴び、なおも一、三塁で4番・ロサリオに勝ち越し3ランを浴びた。

その後ホークス打線も猪本のタイムリー(8回)などで反撃したが、後続の投手陣も踏ん張りきれず差が縮まらなかった。ホークスの連勝は13で止まった。ホークスとカープのゲーム差は「3」。直接対決は残り5試合予定されている。

(※ちなみに、イースタン記録は巨人の15連勝・1999年8月11日~9月4日)

痛恨ミスが逆転負けの引き金に…

ホークスの大型連勝がついに止まった。リーグ新記録の「14連勝」をかけて臨んだカープ戦。リーグ優勝を争う相手との直接対決で「偉業」と「V4前進」のダブル達成をもくろんだが、脆くも夢は散った。

痛いミスで流れを失った。6回裏だった。この時点ではホークスが3対2とリードも、直前に失点しており試合展開が読みづらくなっていたところだ。

先頭の塚田正義、続く猪本健太郎が連打でチャンスメイクし、鶴岡慎也がバントを決めて1アウト二、三塁の得点機を作った。だが、次打者金子圭輔の3球目にそれは起きた。捕手からの牽制球で三塁走者の塚田がまさかのタッチアウト。ほとんど抵抗も出来ず、あまりに呆気ない形でチャンスの芽は潰えた。塚田はこの試合で3安打を放つ活躍を見せていただけに、残念なプレーになった。

その後追いかける形になり迎えた8回裏には、ノーアウト一、二塁で金子圭がスリーバント失敗。反撃ムードはまたも消沈した。次々と流れを手放しての敗戦。野球は正直なスポーツだと改めて思い知らされた一戦だった。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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