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【ホークス】2軍も強すぎるワケは…?――8月16勝3敗で「最大7.5差」逆転首位

田尻耕太郎スポーツライター
ホークスファーム本拠地の雁の巣球場

大逆転首位浮上は5日の試合から始まった

ホークス2軍は8月19日にカープと並びウエスタン・リーグ首位に立ったところまではお伝えしたが、その後も勝ち続けて現在10連勝中。カープには逆に3ゲーム差をつけて、ウエスタン・リーグの首位を快走中である。

カープに今季最大7.5差をつけられて2位に甘んじていたのが7月上旬のこと。逆転の気配は突然だった。カギとなったのは8月4日~6日、ホークス2軍のホーム雁の巣球場で行われた3連戦だった。

その前の時点で首位カープはまだ、2位ホークスを5.5ゲーム差も引き離していた。それがホークスの3連勝で一気に2.5差まで詰まった。しかも5日の試合があまりにも衝撃的な内容。ホークス打線が7ホームランを放ち21対5という圧巻勝利。カニザレスが3打席連発を放てば、江川智晃と上林誠知がそれぞれグランドスラムを叩き込んだ。

これがカープの戦意を喪失させたのか定かではないが、8月のカープは6勝10敗1分と失速。一方でホークスは16勝3敗という驚異的な戦績で、順位を逆転させただけにとどまらず、ウエスタン・リーグ史上初の4連覇へ独走態勢を固めつつあるのだ。

打撃陣が急転絶好調に 本塁打を量産

もともと戦力の厚さから、ホークス2軍のV4は相当有力だと思われていた。特に投手陣はシーズン序盤からリーグの中で頭一つどころか二つも三つも上を行くレベルである。 

その一方で今季は打線が振るわずにいたため、カープより下の順位に甘んじていたのだが、8月5日のカープ戦の大爆発で何かが吹っ切れたかのように一転して圧巻の本塁打攻勢に転じたのだ。

5日以降の16試合でチーム25本塁打を放った。特に江川は月間9本塁打と量産。今季は故障もあってファーム暮らしが長くなっているが、2年前には1軍で自己最多の12ホーマーの実力者がここにきて本来のパワーを発揮している。さらにカニザレスが5発、猪本と上林が3発を放つなど長打に期待できる選手たちが本来の打撃を取り戻した。

こうなれば、この結果も順位も必然だと納得してしまう。

雁の巣”ラスト”でV4胴上げか

とはいえ、ホークスとカープの直接対決は最大6試合(中止試合の再試合は行わないため)残っており、覇権の争いはまだまだ分からない。なお今季ウエスタン・リーグのラストカードが9月25日(金)~27日(日)の3連戦で組まれており、奇しくもホークスとカープが雁の巣球場で激突する。来季から筑後市に移転することが決まっているホークスファームにとって最後の雁の巣球場での公式戦となることが有力。有終の美を飾ることが出来るだろうか。

【8月の戦いとホークスの本塁打の軌跡】

1日  ●H0-3BS  

2日  ●H1-9BS

4日  ◯H4-1C  塚田5号ソロ

5日  ◯H21-5C  上林6号満塁・7号2ラン、カニザレス11号ソロ・12号ソロ・13号ソロ、江川4号満塁、細山田1号2ラン

6日  ◯H7-1C  江川5号ソロ

7日  ◯H9-5D  猪本9号満塁、江川6号ソロ

8日  ◯H5-0D  

9日  ◯H4-1D  カニザレス14号ソロ

11日 ●H3-6C  松中8号ソロ、猪本10号2ラン

14日 ◯H2-1BS  上林8号ソロ

15日 ◯H9-3BS  江川7号ソロ・8号3ラン、長谷川2号3ラン

16日 ◯H6-2BS  江川9号ソロ

18日 ◯H2-1T

19日 ◯H2-1T

22日 ◯H9-3D 

23日 ◯H13-7D  江川10号2ラン、松中9号2ラン

28日 ◯H8-2BS  塚田6号2ラン、猪本11号ソロ、カニザレス15号ソロ

29日 ◯H4-3BS  江川11号ソロ

30日 ◯H5-2BS  江川12号ソロ

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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