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ウエスタン初の4連覇を狙うソフトバンク、黒星スタート

田尻耕太郎スポーツライター
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2011年以来の開幕黒星

3月17日(火)、ウエスタン・リーグが開幕。ソフトバンクはファーム本拠地の雁の巣球場で阪神と対戦した。

阪神     200001100 4

ソフトバンク 000001000 1

<バッテリー>

【T】◯岩本(1勝0敗)、高宮、S玉置(1セーブ)――清水

【H】●笠原(0勝1敗)、伊藤大、五十嵐、岡本―斐紹

<本塁打>【T】伊藤隼1号

【戦評】

昨季までウエスタン3連覇のソフトバンクが開幕戦を落とした。試合は終始阪神がペースを握った。初回、伊藤隼と岡崎のタイムリーで幸先よく2点を先制。6回にはこの日猛打賞の西田がタイムリー二塁打。7回は伊藤隼が五十嵐の直球を右翼席に運ぶ1号ソロを放ち追加点を挙げた。

ソフトバンクは先発した笠原が毎回走者を背負う苦しい投球。打線も精彩を欠き、6回に福田のタイムリー二塁打で1点を取るのがやっと。今年初実戦となった五十嵐は1回1失点だった。打線ではタイムリーを打った福田と白根がマルチ安打を記録した。

開幕投手は20歳の笠原

【雑感】

“開幕投手”に起用されたのは伸び盛りの若鷹、高卒3年目左腕の笠原大芽。「たまたま中6日で投げていたら、順番が回ってきただけですよ」と笑うが、昨季は11試合に登板して4勝3敗、防御率2.75の成績を残して先発ローテをになった時期もあった。石渡茂前2軍監督は「伸びた選手の一人。物怖じしない性格もいい」と話しており、今季は更なる飛躍、さらには1軍デビューが期待される若鷹である。

しかし、期待のマウンドは好結果とはいかなかった。6回途中までに9安打を浴びて3失点(自責2)。印象とすれば<よく3点に収まった>というのが本音だ。全体的にボールが高い。そういえば、1月の自主トレ中、ややフォームが安定しないのが気になっていた。時期的なものかと思っていたが、今日ほどボールが高めに集まるのは昨年にはあまり見られなかった。「最近真っ直ぐが良くないんです」と笠原。肩関節が他の投手に比べてかなり柔らかく、それが武器でもあるが、逆にフォームがバラバラになりやすい欠点でもあるという。今後のどのように修正していくのか、注目していきたいところだ。

一方、ベテランでは五十嵐亮太が今年の実戦初登板を果たした。キャンプ中に右ふくらはぎの張りを訴えた影響から調整が遅れていた。五十嵐についてはホークス球団公式サイトにて書いているので、こちらでは特に触れないでおく。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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