Yahoo!ニュース

鼻骨骨折問題なし! 工藤監督も期待の左腕、山田が5回無失点=ファーム教育リーグ

田尻耕太郎スポーツライター

鷹打線が爆発10得点

3月8日(日)、ソフトバンクのファームは教育リーグで広島と対戦した。

広島     000001001 2

ソフトバンク 10007020× 10

<バッテリー>

【C】辻、江草、今村、戸田――磯村、白濱

【H】山田、吉本、岡本、中村恵、大場――高谷、細山田

<本塁打>なし

【戦評】

ホークス打線が大量得点を奪って圧勝した。初回に高谷の犠飛で先制すると5回に一挙7得点。代打・宮崎のタイムリー、白根と金子の2点打などが飛び出した。7回には長谷川が左越え2点二塁打を放って追加点を挙げた。計13安打10得点の猛攻だった。投げては先発の山田が5回無失点と好投したのが明るい材料だ。

広島は先発の辻がキレのあるボールを投げ込むも、ややスタミナ面に課題を残した。何より守備陣がお粗末。雁の巣の強風に対応できず、内野も外野も高いフライを落球するシーンが何度も見られた。

キャンプ最終日の悪夢

5回を無失点(雁の巣球場のスコアボード)
5回を無失点(雁の巣球場のスコアボード)

【雑感】

先発の山田大樹は宮崎キャンプ後初の実戦マウンド。5回を61球で投げきり被安打3、奪三振3、与四球1の無失点投球を見せて、大型左腕はベンチの期待に応えた。

モヤモヤした気持ちを晴らす快投だ。キャンプはA組で過ごし、工藤公康監督からも高評価を得ていた。しかし、キャンプ最終日に悪夢が。キャッチボールで相手投球を取り損ない、硬式球が顔面を直撃。鼻骨を骨折した。翌日、何事もなかったようにヤフオクドームでの練習に参加したが、その後登板がないままファーム降格となっていた。

「やってしまったことは仕方ない。でも、これで終わってしまったわけではない、と思っています」

工藤監督アドバイスの脱力投球がハマっている

この日の投球。やや高めにボールが集まってしまったが、決して抜け球ではなく指にかかった力のある球を投げ込むことが出来ていた。低めへの制球が持ち味のタイプなので反省点ではあるが、微調整をすれば修正可能であり、内容のある今日の5イニングの投球だった。また、2回には投球の際に左手からボールを落としてしまう“珍プレー”があったが、今季は「脱力ピッチング」をテーマにしており、ある意味ではそれが出来ていた証しでもある。

「内容はもっと上げていきたい」と次回登板へ意欲を見せた。冷静な性格の左腕だが、「今年は『静男』から『熱男』になります」と気合十分。昨季0勝に終わった悔しさを晴らす準備は整っており、今季の山田は楽しみな投球をしてくれるはずだ。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

田尻耕太郎の最近の記事