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勝った方が交流戦V 22日、ソフトバンクと巨人が直接対決!

田尻耕太郎スポーツライター

「6.22」、初夏の天王山

今シーズンの「日本生命セ・パ交流戦」はいよいよ佳境を迎えた。21日、東京ドームではソフトバンクが巨人に3対1で競り勝ち、神宮球場ではオリックスが3対11でヤクルトに大敗した。この結果、10年目を迎えた交流戦の優勝争いはソフトバンク、巨人の2チームに絞られた。

22日もこの両チームが激突する。勝った方が優勝(引き分けの場合はソフトバンク)。まだ6月ながらドラマチックな戦いが見られるのは交流戦の利点だ。

チームの連覇、自身のプロ初勝利をかけて

交流戦連覇を目指すソフトバンクは、「1つも負けられない」状況からヤクルト戦を連勝し、さらに巨人にも先勝して勢いに乗っている。22日の先発は飯田優也。プロ初先発した前回登板(15日、DeNA戦)では5回まで無失点も、6回先頭から連続四球を与えたところで降板。リリーフ投手が失点したために5回3分の0、2失点の記録で、しかも負け投手となってしまった。それでも攻める姿勢、さらに初先発ながらマウンドで笑顔を浮かべる度胸の良さもあり、秋山幸二監督は「投げっぷりが良かった」と高く評価。22日の巨人戦には今季1軍で4試合先発した岩嵜翔や、「黄色靭帯骨化症」からの復活をかける大隣憲司の名前も挙がったが、飯田が自らの手でチャンスを掴みとった。球団公式ツイッターによれば「ちょっと緊張してきたかも、、、。」とのコメントが載っていたが、おそらく本音では「絶好のチャンスが巡ってきた」と心の中で笑っているはずだ。

また、飯田にとっては“リベンジ”の舞台でもある。まだ育成選手だった昨年10月13日、フェニックスリーグで巨人相手に先発をした。秋季教育リーグの一戦だが、巨人はクライマックスシリーズの調整として主力が参加しており、1番に長野久義、3番阿部慎之助、4番村田修一、6番坂本勇人などのベストメンバーが並んでいた。

初めて対戦する「本物のプロ」に飯田は気合十分に臨んだが、3回にロペスに141キロ直球を左翼席に運ばれる先制弾を浴びるなど3失点。続く回にも失点して、4回4失点で負け投手となった。

あれからプエルトリコ・ウインターリーグを経て、今季はファームながら確かな実績(9試合7勝0敗、防御率1.58)を残してきた。22日の先発はチームの交流戦優勝とプロ初勝利をかけた大事なマウンドだ。自身の成長を確かめる、これ以上ない舞台となる。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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