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昨季のファーム最多勝が、待ちに待った初先発で好アピール!

田尻耕太郎スポーツライター

13日、雁の巣球場ではウエスタン・リーグ公式戦「ソフトバンク対オリックス」が行われ、ソフトバンクが10対3で圧勝した。

オリックス  100001100 3

ソフトバンク 40102300× 10

【戦評】

ソフトバンク打線が序盤から得点を重ねた。初回に牧原の3号3ランなどで4点。3回にも牧原のタイムリー内野安打で加点し、その後も塚田が2本のタイムリーを放つなど攻撃の手を緩めなかった。投げては先発の山中が5回1失点で1勝目をマークした。

2年目山中が好投、打者では牧原と塚田が目立つ

【雑感】

山中は今季ウエスタン初先発だった。昨季10勝でファーム最多勝を獲得したが、今季はローテ枠から漏れた形だった。久しぶりの先発に初回こそ26球を費やして失点したが、2回以降は打者のタイミングを外す投球で持ち味を発揮した。山内孝徳ファーム投手チーフコーチは「準備はしっかりさせてきた。良い投球だった」と評価した。リリーフでの登板が続いたが、試合での連投はせずにブルペンで投げ込む日を設定。3月は試合を含めた投球数が1500を超え、4月も900近くを投げた。リリースポイントが地上数センチのサブマリン右腕。浮上へのアピールとなった。

また、投手では伊藤大智郎が「初安打」を許して悔しがった。今日が今季8試合目のマウンド。ここまで7イニングを投げて無安打無失点を継続していたが、被安打1、失点1(自責0)で途切れてしまった。試合後は「目標の先輩」と話す江尻とともに映像をチェックして反省会。次から再スタートだ。

打者では「首位打者」の牧原が好調だ。この日4打数2安打で打率を.383に上げた。初回にはパンチ力でアピール。マエストリの直球をジャストミート。「打った瞬間」分かる右翼席への3ランを放った。身長173cm、体重68kgとプロ野球選手としては小柄だが、今季3本目のアーチ。昨季も5本塁打を放っておりこの意外性も魅力の一つだ。

7番の塚田も3安打2打点の活躍。今季23打点でウエスタン打点争い単独トップに立ち、安打数(39)でも安部(広島)を抜いて1位となった。プロ3年目。まだ1軍経験はないが、念願の初昇格へ着実に前進している。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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