「一日も早い旧統一教会への解散命令請求」の声をあげる被害者家族への誹謗中傷 組織的グループの可能性
7月11日、立憲民主党を中心とする第49回統一教会国対ヒアリングが行われました。
被害者家族である橋田達夫さん、全国統一教会被害対策弁護団の阿部克臣弁護士、ジャーナリスト・鈴木エイト氏が参加しました。
一日も早い解散命令請求を
文化庁による宗教法人法に基づく質問権が6回行使されて、着実に解散命令請求に向けて進むなか、橋田達夫さんは「一日も早い解散命令請求」を求めます。
橋田達夫さんの元妻は信者として1億円以上の献金を行い、元妻と一緒にいた長男が自ら命を絶ってしまうという、大変つらい被害を受けています。
「去年の9月から、黙っていれば誰も救われないと思い、被害を訴えさせて頂きました。訴えることによって本当にみなさんのご協力も頂きました。しかし(教団からの)補償はなく、(教団関係者と思われる)嫌がらせだけはやってきます。それでも耐えます。傷ついてきましたが、私は(声をあげることを)やめません。統一教会がひどい団体であることを身に染みてわかっています。僕は負けません。彼らは私をだまして人生であったり、お金であったり大事なものを奪っていきました。本当に苦しみを味わってきました。文化庁さんには、一日も早く解散命令請求を出してほしい」と訴えます。
「お前殺す」の誹謗中傷は、組織的グループの可能性
橋田さんが被害を訴えるなかで「お前殺す」という誹謗中傷の電話がきたことを明かします。
誹謗中傷の電話は、これまで4回かかってきており、3回は男性の声で、1回は女性の声でかかってきたそうです。男性も3人とも違う人からだったということですので、単独で電話をかけてきているのではないことがわかります。
つまり、複数人が同じような言葉で、判で押したように電話をしているところから、明らかに何者かの指示をうけて、組織的にかけてきている可能性が出てきています。
もちろん、これが教団の関係者なのか、賛同者なのか。その正体はつかめませんが、誹謗中傷する相手が、組織的なグループであることがみえてきています。
解散命令請求が出た場合の効果
阿部克臣弁護士からは、解散命令請求が出た場合などの効果について話がありました。
「安倍元首相の銃撃事件から1年が過ぎましたけれども、旧統一教会の問題はほとんど解決していません。過去の被害者がほとんど救済されておらず、この1年間で救済された方はわずかです」
「解散命令請求がいつ出るのかに、関心があると思いますが、大事なことはその先にあります。高等裁判所で解散命令の決定が出た時点で、教団に財産が残っているのかが大事です」といいます。
解散命令が出れば、清算手続きに入り、第三者が財産管理をすることになります。そして被害者が裁判所により認められれば、配当を受けられるとのことで、「解散命令は、過去の被害者を救済できる手続きになります。解散命令を出してもらって、同時に財産の保全をする。これは車の両輪です。解散命令だけを急いでも、被害者の救済にはつながりません」
今、宗教法人法には財産保全の規定がありません。こうなると、教団は財産の隠匿、流出をしてくる恐れがあります。
「国会議員の先生方には、早急に財産保全の特別措置法を作ってほしい」と訴えます。
解散命令請求は一定の抑止効果になる
ジャーナリスト・鈴木エイト氏は「解散命令の請求は、文化庁さんの方から出して頂けると期待しています」としたうえで「一定の抑止効果になる」といいます。
「解散命令請求が出されることで、『公益性』が問われることになります。(教団の)フロント団体である世界平和女性連合が主催する留学生の弁論大会に、自治体が公民館などの施設を貸し出すかどうか。判断に迷うところですが、解散命令請求が出ることによって、それがひとつの基準になります」
また、地方議会でも「旧統一教会及び、関連団体との関係を絶つ」とした議決をしているところがありますが「地方議会にとって、議決へのハードルが下がることになります。そういう団体と政界との関係をわかつためにも、解散命令請求を出す効果は大きい」と話します。
解散命令が出された後の流れについて
立憲民主党の山井和則議員からは「解散命令がされると、一般論としてどうなるのか」について質問がありました。
文化庁の担当者は、宗教法人法の第49条3項を示しながら「解散命令を受けた時には、裁判所は清算人を選任します。そして7項にあるように『宗教法人の代表役員、責任役員及び代務者は、前項の規定にかかわらず、当該解散によって退任する』となってます。そして、清算人の職務として『一 現務の結了、二 債権の取立て及び債務の弁済、三 残余財産の引き渡し』となります」と説明しました。
しかし、これまでのお金に執着してきた教団の体質を思えば、旧統一教会が、解散命令の決定をうけるまで何もせずに財産を手元に残しておくとは考えにくく、財産保全の法律の制定は急務といえます。
最近、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)は、「教会改革のためのアクションプラン」を掲げてHPをリニューアルしました。そのなかに「世界平和統一家庭連合 改革の現状」というものがあります。阿部弁護士は「そこに書いてあることが非常に欺瞞的である」と指摘します。次に続きます。