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こうして妖怪・アマビエ商品の偽通販サイトで高額請求を受けました。利用明細に潜む巧妙な罠も!(画像付)

多田文明詐欺・悪徳商法に詳しいジャーナリスト
(提供:koko/イメージマート)

先月末、50代女性は偽の通販サイトで商品を注文してしまい、価格の130倍もの高額な請求を受けました。

「明細を見て驚きました。注文した時の値段と違い、高額なクレジット料金の支払いになっていたのです。払わなければならないのでしょうか?クレジット会社には連絡をしましたが『調査するのでしばらく待ってほしい』と言われて」と不安そうに話します。

偽の通販サイトは、その時の流行や消費者の購買動向を見て罠をしかけてきます。昨年も、緊急事態宣言の発令もあって、家にこもる人が多くなると、家具や掃除機などを扱う大手インテリアショップを装った通販サイトを出現させてきたこともあります。

今回、詐欺犯らが目をつけたのが、アマビエの商品です。

アマビエは古来伝わる妖怪で、疫病を予言したともいわれています。新型コロナへの感染の危険が身近に迫ってきているだけに、疫病退散の願いをこめて作られた商品は、キモかわいい様子で描かれた姿とあいまって、とても人気になっています。

彼女もアマビエの商品が大好きで、ネットで気に入った物を見つければ、購入していました。

スマホでいつものように「アマビエ のれん」で検索していると、沢山の画像が出てきます。そのなかに、素敵なのれんを見つけました。

「それは、いつも買っている大手通販サイトにはない柄でした」といいます。

画像のURLをタップすると、「E」という通販サイトに飛びました。

そこでは【在庫あり】となっており、値段も2078円に横線が引かれて、50%OFFの1039円です。商品が安い上に、丁寧に【素材説明】や【商品性能】も記載されており、売り切れる前に買わなくてはと思い、さっそく購入手続きをすることにしました。

被害者からの情報提供写真
被害者からの情報提供写真

まず配送情報と書かれた画面がでてきて、彼女はメールアドレス、名前、フリガナ、誕生日、住所を入力します。

その下には、配送料0円とあり、クレジット情報を記載するようになっていました。

当然ですが、詐欺を行う偽の通販サイトは商品を送らないことがほとんどですので、配送料0円を画面上でやたらに主張してくることがあります。配送料無料が多く書かれている通販サイトには、注意をしてください。

最終画面で、総額は税込みで1039円となっていましたので、彼女はクレジット情報を記載して、「注文の確定」のボタンをタップします。

被害者からの情報提供写真
被害者からの情報提供写真

まもなくして、注文確認らしきメールが送られてきましたが、文字化けしていて読めません。

そこで、彼女は「文字化けして読めません」というメールを送りました。しかし返事がありません。再びメールを送っても連絡がこなかったので、彼女は商品のキャンセルのメールを送りました。

翌日になっても、何の返答もありません。そこで、不安になって、クレジットの明細を見ると、なんと利用金額が、注文した値段の約130倍の13万円を超える数字になっていたのです。

被害者からの情報提供写真
被害者からの情報提供写真

しかも、支払い先は「AMZ*」となっています。この名前から詐欺犯らの狙いも透けて見えてきます。

彼女はAMAZONから商品を購入することが多く、利用明細には、その名が多く連なっています。今回、彼女は不安に思い利用明細をしっかりみたので、詐欺に気づけましたが、明細の中に似たような「AMZ*」を紛れ込ませることで、利用者にAMAZONの略語のように思わせて、詐欺に遭っていることに気が付かせない狙いもあったのではないかと考えています。

明細の金額だけでなく、利用先名をしっかりみることは大事になります。

彼女はカード会社に連絡をして、カードの利用停止をしてもらいました。もし不正利用に気づかなければ、さらに不正にカード情報が使われて、金額がもっと高額になっていた恐れもあります。

今回のように、メールを相手の業者に送るなどして、相手のアクションから、詐欺行為に気づくことも大事です。

またカードの不正利用に対しての補償期間について、カード会社の規約によって違いますが、不正利用されてから一定の期間が過ぎると、補償が難しくなることもありますので、いち早く利用者が不正を発見することも必要になります。

彼女の最大の不安は、「お金を支払うことになりはしないか」という心配でした。

この点について、注文時の金額が1039円なのに、一方的に13万円以上を請求して引き落とそうとする。こんな一方的な契約はありえません

それに、この通販サイトは「定価に横線が引かれて、激安価格になっている」「メールアドレスは載っているが、電話番号がない」など、これまでの詐欺サイトの特徴をふまえています。

何より記載の住所のうそです。

通販業者の住所は大阪市になっていますが、彼女はカード会社から「相手が中国なので、確認してまた連絡します」といわれています。つまり、海外業者なのに、国内の住所を記載している。

さらに住所も調べると、1丁目25番地になっていましたが、この地域は15番地までしかありません。住所はまったくのデタラメでした。

これらのことから、利用者の側には過失もなく、すばやい対応で不正利用を報告しているので「カード会社からの連絡を、不安にならずに待ってはどうか」と話しました。

数日後、彼女はカード会社から「支払う必要なし」との返事をもらいます。

だまされないために

今回のように画像を検索して、偽の通販サイトに誘導されることもあります。実際に私も調べてみると、おびただしい数の画像が出てきました。アマビエ以外ののれんもあり、すべて彼女がだまされた偽の通販サイトにつながる画像です。

「筆者撮影/作成・偽の通販サイトの画像を調べると次々に現れる。
「筆者撮影/作成・偽の通販サイトの画像を調べると次々に現れる。

もしかすると、今も被害に遭っていながら、気づいていない方もいるかもしれませんので、アマビエの関連商品を大手通販サイト以外から購入した人は、利用明細を確認してください。

だまされないためには、定価から大きく値引きがされていたら、怪しんで立ち止まる。初見の業者から購入する時には、まず住所を調べ、電話番号がないところの注文を控えてください。

「わざわざ1000円のために面倒だ」と思わないでください。今回のように知らぬ間に13万円を超える料金の請求を受けたり、カード情報がさらに別な商品の購入に不正に使われてしまう恐れもあるからです。

彼女にもお伝えしましたが、カードの不正利用は止められましたが、すでにサイトの画面に自分の住所や電話番号を書き込んでいるので、個人情報が裏の世界で売買されて、家に勝手に商品を送りつけてきたり、電話番号を使ったSMS(ショートメッセージ)の詐欺が送られてくることも考えられますので、十分な警戒が必要です。

まさに偽の通販サイトは神出鬼没、変幻自在で、それ自体が人に害を加える妖怪的存在といえるかもしれません。何より、人々が疫病退散の願いを込めて作ったアマビエの商品をだしに使い、詐欺の罠を仕掛けるなど、決して許すことができません。

詐欺・悪徳商法に詳しいジャーナリスト

2001年~02年まで、誘われたらついていく雑誌連載を担当。潜入は100ヶ所以上。20年の取材経験から、あらゆる詐欺・悪質商法の実態に精通。「ついていったらこうなった」(彩図社)は番組化し、特番で第8弾まで放送。多数のテレビ番組に出演している。 旧統一教会の元信者だった経験をもとに、教団の問題だけでなく世の中で行われる騙しの手口をいち早く見抜き、被害防止のための講演、講座も行う。2017年~2018年に消費者庁「若者の消費者被害の心理的要因からの分析に係る検討会」の委員を務める。近著に『信じる者は、ダマされる。~元統一教会信者だから書けた「マインドコントロール」の手口』(清談社Publico)

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