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予約はまだです!新型コロナワクチン接種の受付が始まった!?の詐欺電話が発生中!

多田文明詐欺・悪徳商法に詳しいジャーナリスト
(写真:アフロ)

中国やイギリス、アメリカなど、世界では、新型コロナウイルスのワクチン接種が始まっています。しかし日本では新型コロナワクチンの接種を始めるのは、2月下旬頃との政府方針であり、まだ始まっていません。

それにもかかわらず、詐欺師たちは時流に乗り、一歩先んじて、新型コロナワクチンの予約を受け付けるといった嘘の電話をかけてきています。

警視庁犯罪抑止対策本部のTwitter情報によりますと、

保健所職員を装った男から「高齢者を対象にPCR検査とワクチン接種ができる」との電話がかかってきており、さらに「検査で陽性なら、ホテル等で療養してもらう」「ワクチン接種は2月上旬まで医療従事者が優先される」という説明をしながら、予約金を払うように迫ってくるとのことです。

今日(1/7)も、東京都の感染者が2000人を大幅に突破して、医療崩壊が危惧されるなか、多くの人が抱える不安につけ込むような手口が発生しています。

目黒警察署からの詐欺の前触れ電話であるアポ電(アポイント電話)の注意情報によると、「接種の際は、医療機関に一泊してもらう」「ワクチンの代金と宿泊料金は前払いになるが、接種後に返金します」などとも言ってきています。

特殊詐欺を行う詐欺犯らは、10万円だけといった小さなお金だけをとるのが本来の目的ではなく、この電話をきっかけに数十万、数百万円といった多額のお金をだましとるのが主たる目的です。

これまでの詐欺の手口からみれば、この後に、お金を引き落とすための手続きと称して、家にキャッシュカードを騙し取りにくる。また、ATMに呼び出して、電話でタッチパネルを操作させて、多額のお金を振りこませるといった還付金詐欺のような手口も考えられます。

また、コンビニに行かせて、プリペイドカードを買わせることもあるかもしれません。

どうしても、この時期は新型コロナの言葉を出されると、つい耳を傾けたくなってしまいます。それにワクチン接種の優先順位は、医療従事者、そして高齢者、基礎疾患のある人となっていますので、今後、間違いなく、この種の詐欺電話が高齢者宅にかかってくることになるでしょう。

もしこうした不審な電話がかかってきたら、ためらわず110番及び、すぐに最寄りの警察に通報するようにしてください。

「火の粉をまず、払う」

これが詐欺の猛火に包まれないために、大事な一歩になります。

詐欺・悪徳商法に詳しいジャーナリスト

2001年~02年まで、誘われたらついていく雑誌連載を担当。潜入は100ヶ所以上。20年の取材経験から、あらゆる詐欺・悪質商法の実態に精通。「ついていったらこうなった」(彩図社)は番組化し、特番で第8弾まで放送。多数のテレビ番組に出演している。 旧統一教会の元信者だった経験をもとに、教団の問題だけでなく世の中で行われる騙しの手口をいち早く見抜き、被害防止のための講演、講座も行う。2017年~2018年に消費者庁「若者の消費者被害の心理的要因からの分析に係る検討会」の委員を務める。近著に『信じる者は、ダマされる。~元統一教会信者だから書けた「マインドコントロール」の手口』(清談社Publico)

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