2021年、「サービス」が有料化する時代の到来
2021年はサービス有料化の時代かも
2020年、「レジ袋有料化」という変化がありました。環境保全の取り組みの一環ですが、ビジネスとして考えると「お店が無料サービスで負担していた費用」を「利用者が自己負担する」という変化ともいえます。
今まで「サービス=無料」であったものを、有料化する変化が少しずつ起きています。今年は「サービスの有料化の年」になるかもしれません。
すでに動き始めているいくつかの「有料化」の変化を紹介してみます。
ドコモショップでFacebookの設定は有料です
携帯ショップに行くと、高齢者が困ったときの相談窓具として利用していることがあります。ひとりの担当者と何時間も話をしていて、別の客が長時間待たされることもあります。
NTTドコモは、ドコモショップでのアプリ設定などについて有料化すると発表し、2020年12月1日から実行されています。ドコモ系のもの、たとえばd払いの設定なら無料ですが、モバイルSuicaであったりFacebook等のSNSアプリについてはひとつあたり1650円(税込み)で設定をするというものです。
もちろん、「初期設定・データ移行」の範囲については無料サポートがありますので、機種変更の最初のところで置き去りにされるわけではありません。WEBによれば、サポートの範囲は「Apple ID・Googleアカウントの設定/dアカウントの設定/ドコモアプリケーションの設定/データのコピー」としています。
今までは「月額料金を払ってくれるお客様なら、サービスでお手伝い」だったわけですが、LINEの設定やメルカリの設定までお手伝いするのはおかしな話です。「サービス=有料」となってきたわけです。
NTTdocomoプレスリリース https://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/2020/11/19_00.html
銀行の預金通帳(紙)の繰越は有料です
2021年1月18日から、みずほ銀行で、「通帳の発行・更新時には実費を取る」というサービスが始まります。税込み1100円ですから、ちょっとしたお値段です。
ただし「新規の口座開設者」に限るとしていますので、既存の顧客は対象外となり、無料で繰越は継続できます。ただし、1年未記帳のままであった場合、通帳レス口座に強制的に移行されますので注意が必要です。
なお、WEBでの通帳レス(つまり紙の通帳は発行しない)であれば、新規口座開設者も無料で銀行を利用できます。実は紙の通帳の維持費は結構高くて(税金もかかる)、これを軽減するのが銀行の狙いです。
三井住友銀行も、2021年4月1日以降の口座開設者について年間550円(税込み)を徴収します。こちらは通帳ごとではなく年会費風の設定です。また、モバイルバンキングを未設定で、2年以上入出金がなく、かつ残高1万円未満の場合は年1100円(税込み)が引き落としされるそうです。
銀行口座といえば「無料で開設、利用できる」ものでしたが、これからはそうはいかないというわけです。
みずほ銀行 https://www.mizuhobank.co.jp/retail/newlifestyle/e_kouza/index.html
三井住友銀行 https://qa.smbc.co.jp/faq/show/4171?category_id=1&site_domain=default
クレカ利用明細の発送は有料です
クレジットカードの利用明細をチェックするのは不正利用がないか確認するためにも重要です。しかし、はがきや封筒を印刷・送付することにはかなりのコストがかかります。
クレジットカードについてIDとパスワードを取得してある場合、WEBやアプリ、あるいはメールで利用明細の通知を受け取ることができるようになっています。これを受け、「紙で郵便の明細をもらいたいなら有料」という動きが広がりつつあります。
カード会社にもよりますが、約90~100円程度を負担してもらう設定が多いようです。年会費無料のカードだと思っていたら、年1200円くらい払っていたということもありえます。
実はあなたのクレカもそうなっているかもしれませんので、確認してみたほうがいいかもしれません。
JCBの説明ページ(88円の例) https://www.jcb.co.jp/ordercard/pop/meisai.html
SMBCカードの説明ページ(99円の例) https://qa.smbc-card.com/mem/nyukai/detail?site=4H4A00IO&category=35&id=563
2021年2月から有料化するFFGカード(88円の例) https://www3.vpass.ne.jp/mem/cardinfo/cardinfo5030997.jsp?cc=029
サービスは「無料」という意味ではなくなる
今まで「サービス」は無料という意味で理解されてきました。ランチを食べようとお店に入って注文したとき、「サラダはサービスです」と言われてテーブルに乗せられたとき、サラダ分は無料、あるいはメイン料理の料金内なのだなと理解します。
しかしこれからは、私たちに利便性を提供しているものについて、徐々に有料で実費を徴収することになるでしょう。「サービス=無料」とは限らないわけです。
今回紹介した内容では「サービスがなくなるわけではなく、提供形態により負担が生じる」ものが中心でした。またライバル社は当面無料を維持する、ということも競争上ありえます。
支払う費用が見合うものであるか、また無料で対抗するライバル社を活用するか、など、マネーに関する目利きがしばらくは必要になりそうです。