現金は汚い?現金払いは頭が悪い?そう、今や現金払いは割高な支払い方法である。 5.5 %損も。

現金は汚くて現金払い頭が悪い、そういう人がいますがけっこうそのとおりかも。(写真:アフロ)

現金は汚いから電子マネーで決済する?

「現金は汚い」という言葉がネットで炎上気味に流れていたのに気がついたので、ちょっと調べてみたところ、10月1日放送の「ワイドナショー」(フジテレビ系列)における社会学者古市憲寿さんのコメントが火種のようです。

・現金は誰が触ったものか分からず汚いので、できるだけ電子マネーで決済するようにしている。

・今時コンビニで現金で決済するなんて頭が悪いのではないか

といった趣旨の発言をしたようです。潔癖症といわれる彼ならではの発言ですが、私も現金は汚いものであると考えています。そして(言葉は悪いことは承知であえていいますが)コンビニで現金決済するなんて頭が悪いと思います

まず、お金は汚いものです。私の親は銀行員でしたが、誰が触ったか分からないものだから、それは衛生的なものではないと考えるよう、親にずいぶん言われました。もちろん、それはお金の価値とは関係なく考えることであるとも教えられました。1万円札は1万円だが、汚いものは汚いと。

Visaの「現金の清潔度に関する意識調査」では、回答者の80.3%が現金を汚いとみなしており、これはエレベーターのボタンやATMのタッチパネルより悪い評価だったそうです。 (リンク

 

実際、衛生微生物研究センターが実施した「現金の清潔度調査」によれば、紙幣と硬貨では紙幣のほうが最近付着数が多く、10円玉が少なかったとのこと(銅の殺菌作用?)。紙幣のサンプルには、厚生労働省が食中毒病因物質として指定しているセレウス菌の検出すらあったとのこと。(リンク

現金は確かに汚いのかもしれません。古市氏はだから電子マネー決済をメインにしているようですが、ファイナンシャルプランナー的には「別の理由」で私たちは電子マネー利用を進めるべきだと思います。

現金はもはや割高な買い物方法である

わが国では、クレジットカードが高額決済、電子マネーは少額決済にもっぱら使い分けられています。日本銀行の決済動向によれば、電子マネーの平均決済金額は一回あたり991円だそうです(2016年)。(リンク

電子マネーの利用シーンを考えてみても、バスや電車・タクシーなどの交通費、コンビニやキオスクなどの買い物、ファミレスやファーストフードなどの飲食費、ドラッグストア等の日用品などが利用の中心となっており、現金と電子マネーの利用シーンはほとんど重なります。

しかし現金と電子マネーを比較してみたとき、衛生面以上に意識するべきは「現金のほうが割高」ということです。

現金で買い物をする限り、それは額面通りの買い物でしかありません。1000円の買い物は1000円の支出です。

しかし、電子マネーを利用するとポイントが還元されることがあります。仮に1%のポイント還元があるなら、同じ買い物を実質的に1%の割引で買えたのと同じことです。

日々の買い物のほとんどを仮に電子マネーに置き換えたと仮定します。仮に月12万円分の消費を電子マネーに置き換えて1%ポイント付与されるとすれば、毎月1200円相当の還元です。年間14400円にもなります。現金で払わず電子マネーで払うだけで、この差が生まれてくるわけです。

もちろん月30万円も使う人なら年間36000円にもなります。使う人ほど差は大きくなります。たった1%の差も、たくさん消費をする人ほど無視できなくなります。

ポイント還元率が0.5%の場合であっても、クレジットカードからチャージをして電子マネーを使う場合、そこにさらなるポイント付与が成立する場合があります。標準的なクレジットカードのポイント還元率は0.5%ですからこれを合わせれば1.0%割引はかなり現実的なものです。

ここで肝心なのは、現金で払っても、電子マネーで払っても、利用者にとっては同額の支払いでありながら、電子マネー利用者は割安の買い物が実現できるということです。

各電子マネーのポイント還元率を比較してみる意外な割引も

各電子マネーのポイント還元率を比べてみましょう。

○Suica

JR東日本が発行するSuicaは、電車だけでなくコンビニやタクシー、書店などいろんなシーンで利用できる電子マネーですが、Suicaポイントクラブに登録をしていない人がかなりいます。

会員登録がちょっとだけ面倒ですが、Suicaポイントクラブは200円あたり1ポイントが貯まります。一部店舗では100円あたり1ポイントになることもあり、かなりの高還元率です。10ポイント10円相当でSuicaにチャージし直すことができます。

Suicaは、クレジットカードのViewカードからのチャージでさらに1.5%相当がクレジットカード側のポイントに貯まることでも有名です。これを使えばあわせて2%相当の「割安」を得ることができることになります。

○PASMO

首都圏の私鉄系で使える電子マネーPASMOはSuicaと同じお店で決済できる利便性がありますが、ポイントシステムがありません。

ただし、一部の私鉄系クレジットカード会社でクレカを発行し、チャージに使うとクレジットカード側のポイントが貯まります。私鉄だけで通勤する場合、Suicaに定期券をセットできないなどの理由でnanacoや交通系電子マネーを利用している人にとっては、クレカポイントがカギになります。

○nanaco

セブンイレブンやイトーヨーカドー、デニーズで利用できる電子マネーがnanacoです。

nanacoを使って決済すると、100円(税抜)につき1ポイントが貯まります。言い換えれば1%分割引されたことになります。

ドラッグストアのココカラファインやビックカメラでもnanacoを使えるのですが、この場合もポイントは貯まりますが、後日まとめてポイント還元されるしくみです。還元日は翌日10日となっています。

nanacoはクレジットカードからのチャージが行えます(本人認証ができるクレジットカードのみ。今はセブンカード以外でもOK)。これによりクレカのポイントも得ることができます。

イトーヨーカドーを使う人の場合、ハッピーデーとなっている8日、18日、28日については5%オフとなり、なかなか強力な割引カードでもあります。またシルバー向けのカード(シニアナナコ)というものがあって、60歳から発行できます。イトーヨーカドーで指定日に買い物をすると先ほどのハッピーデーに加え、15日と25日がシニアナナコデーとして5%オフになる日が月に5日もあることになります。高齢者必携の一枚といってもいいでしょう。

○WAON

イオンやマックスバリュ、まいばすけっとなどで使えるWAONですが、こちらはWAONポイントがあり、200円(税込)ごとに1ポイントが貯まります。

これだけだと還元率としては0.5%なのですが、毎月5日、15日、25日は200円(税込み)あたり2ポイントになる2倍ポイント(1.0%相当)、毎月10日のお買い物は200円あたり5ポイントとなる5倍ポイント(2.5%相当になる)のキャンペーンがあるほか、20日と30日はWAON支払いで5%オフ(まいばすけっと等は対象外)になるお得さがあります。

イオンで日常的に買い物をする人はWAONを発行しておくとかなりお得になります。

○楽天Edy

楽天Edyについては楽天市場で用いられる楽天スーパーポイントと連動しており、楽天市場で買い物してためたポイントがEdyで使えたり、Edy利用で貯めたポイントを楽天市場で使えるような便利さがおもしろいところです。

Edy側では200円の利用で1ポイントですから、還元率は0.5%ということになります。

○その他の電子マネー

なお、ポストペイ(利用するたびクレジットカードに請求する)の仕組みを採用しているQUICPayやiDについては、クレジットカードの定めるポイント還元分だけがメリットになります。

今の時代、現金で払うことは「頭が悪い」

電子マネーを利用できない特別な理由がない限り、「現金払いは頭が悪い」ということは確かにいえそうです。少なくともイトーヨーカドーやイオンが近くにあってよく利用する人がnanacoとWAONを使わないのはかなりもったいないことです。

利用額に応じたポイント付与、特定日の大幅割引、クレジットカードのポイント付与は「割安な買い物」を実現する重要なテクニックではないでしょうか(古市氏がそこまでこだわっているわけではなさそうですが)。

「現金は汚い」そして「現金で買い物をするのは頭が悪い」と考えて、電子マネーを利用してみてはどうでしょうか。