社長や社員が直接回答!ZOZO流、採用の“見える化” Twitterで突如「求人Q&A」開始

前澤友作ZOZO社長(写真:つのだよしお/アフロ)

10月19日、花の金曜日、20:56

世間が居酒屋でお酒を飲んで仕事を忘れている頃、「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」の前澤友作ZOZO社長が突如、エンジニアの求人に関するQ&A対応をTwitter上で行う#ZOZOTech質問会を実施する旨をツイートした。

社長対応ということもあり、深夜3時になってもQ&Aは止まらず、Twitterでトレンドランキング入りするほど大きな盛り上がりを見せた。本記事では経緯を振り返りながら、“ZOZOらしい”求人手法を分析する。

そのツイートは、エンジニアに関する質問に直接、前澤社長アカウントをはじめ、ZOZOTOWNやWEARの開発・デザイン・分析など制作業務全般を担う、ZOZOテクノロジーズの久保田竜弥・代表取締役社長金山裕樹・代表取締役CINOが回答するという旨。そこで、やり取りをしたり、見たりして興味があればメールや自社の求人ページから応募してほしいという、Twitterらしいコミュニケーション型の求人手法をとった。

金山社長によると、事前打ち合わせもなしに始まった“ZOZOらしい”取り組みだったようだが、ちょうど1年前に前澤社長が金山社長の会社(VASILY)をM&Aした日であったことも縁だったのかもしれない。

圧倒的なスピード回答&風通しの良さ

その後、3社長では対応しきれないレベルのツイート数が集まり、ZOZOテクノロジーズの様々な社員が#ZOZOTech質問会に回答する事態にまで発展した。社員たちの募集や回答ツイートは、まるで限られた時間内でアイデアや成果を競い合う開発イベント「ハッカソン」が始まったように積極的に行っているのが印象的だった。

それらのツイートは「刺激的」「可能性」「楽しく働ける」「面白い」「活躍」「いい人ばかり」といったポジティブな言葉が並ぶ。もちろん、人を求めることにあたりポジティブな言葉を言うこと自体は当たり前だが、会社や求人サイトで会社や部署を代表してコメントするのとはわけが違う。プライベートなアカウントで各々が自発的に発言しているところに風通しの良さを感じる。それでは、いくつかのQ&Aのツイートを紹介。

質問や回答に目を通していると、一般的な質問から専門性の高い質問まで様々だが、中でも印象的だったのが「採用方法として効果ありそう」「見てると応募したくなってくる」という声だ。これも、質問者のパーソナル性が高い質問に対して、プライベートなアカウントで各々が自発的に回答=真実味が高いことに寄与しているからこそだろう。

IT業界全体でエンジニア不足

IT業界は成長産業が故に人材不足と言われ続けている。そのため、IT系に強い求人サイトでの募集はもちろんのこと、各社が優秀な人材を集めるために思考錯誤している。久保田竜弥・代表取締役社長は、これまでの求人と比較すると「ZOZO作り直しにつき40人採用や天才募集などがありましたが、その時に比べてプライベートブランドが始まったことで、ファクトリー系のエンジニアや海外展開向けのエンジニアなど、募集しているエンジニアの幅が広がりました」とコメントしている。

「エンジニア」と言っても、様々な技術・役割があるため、求人側はどんなことができるか、求職者側は自分の技術がマッチングするか、をお互いに見極めることが重要である。そのため、Twitter上で自分の持っている技術や経験などがどのようにマッチするかを気軽に聞くことができるのは、就職・転職する上で好判断材料になりやすい。

「社長対応」という影響力と先行者利益

だが、Twitterと専門性が高い職種の相性の良さがわかったところで、ZOZOの企業アカウントや社員の一個人アカウントが「就職・転職Q&AをTwitterで行う」と言っても、ここまでは盛り上がらなかっただろう。

「有名企業の社長が自ら対応する」というインパクト、「何かが生まれるのではないか」という期待感が掛け合わさって生まれたバズにみえる。そのため、これを機に他社も真似をするかもしれないが、そう簡単にここまでの盛り上がりは見せないだろう。こうしたことからも、前澤社長が度々口にする先行者利益という言葉がしっくりくる出来事だった。

そして、10月1日に日本経済新聞に「拝啓、前澤社長。」と題した一面広告を出して「私たち社員が主役です。」と宣言したように、社員一人一人の高い自主性を感じさせられた。