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なぜ?「Cartier」がキッザニアにオープン! こどもがジュエリーデザイナーに

砂押貴久STEKKEY 代表
こども達がジュエリデザイナーに

「また、Cartierが面白いことを仕掛けてきた!」

過去にYahoo!ニュースのコラムで期間限定の“高級コンビニ”をオープンしたことを紹介したように、「Cartier(カルティエ)」は高級ジュエリーブランドの立ち位置でありながら保守的にならず、顧客ターゲットに応じてユニークなコミュニケーション施策を仕掛けることで知られている。上顧客向けの何億もするジュエリーの商談展示会から、オピニオン向けの宇多田ヒカルのシークレットライブなど、王道からサプライズまで実に多様だ。

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「キッザニア東京」に期間限定オープンした「ジュエリーアトリエ」パビリオン外観
「キッザニア東京」に期間限定オープンした「ジュエリーアトリエ」パビリオン外観

そして今日から、あの「キッザニア東京」に期間限定の「ジュエリーアトリエ」をオープンした。キッザニアに入場して、参加申込みを行えば、誰でも参加できる(事前予約ナシ)。1回30分で5名(3〜15歳)のこども達がジュエリデザイナーを体験するという企画だ。こども達は「石」の種類や特徴、歴史について学び、伝統的なネックレスを描いたデッサン画をもとに作品を完成させる。なお、完成したデッサン画は持ち帰ることができる。

1人1席ずつ用意されたアトリエ
1人1席ずつ用意されたアトリエ

あらかじめ用意された色鉛筆やシール
あらかじめ用意された色鉛筆やシール

従来、“アトリエ体験”は高級ブランドが「文化の継承」や「品質の良さ」を伝える目的で実施することが多い。そして日本で展覧会を実施する際の延長線上で開催することが主流で、本国から職人を呼んで、展覧会に来た大人達がその様子を眺めたり、ちょっとした“ものづくり体験”をすることがお決まりだ。

そういったラグジュアリーブランドの常識がある中で、こども向け、ましてや自分達が用意した特設会場や直営店ではなく、キッザニア東京という既存の場所に入って実施するのはブランディング観点でいうと異例のことだ。

自由にデッサンするこども達
自由にデッサンするこども達

「カルティエ」に限らず、高級ブランドは雇用機会の創出・育成から出資まで、文化・品質維持のため「職人を守ること」をとても大切にしている。2010年後半から活発になってきたが、これまでは既存の工場や大人を対象にした直接的且つスピーディーな施策が多かっただけに、「カルティエ」の未来投資ともいえるアプローチは、とても価値がある取り組みだと感じた。

事実、「カルティエ」は開催意図に対して、「美しいものへの興味や憧れは年代問わないもの。普遍の美を追求するメゾンとして、“美しい”ものに触れる機会や”美しい”という感性はとても重要であると考えています。ブティックに足を運んでくださるお客様以外にも、カルティエを知っていただく機会を作りたいということもあり、このたび子ども達に向けたイベント実施に至りました」と説明した。

なお、11月13日(日)には「9月6日(火)~9月26日(月)の期間中に、ジュエリーデザイナーの仕事を体験した小学4年生以上」を対象に、カルティエ 銀座ブティックでブティックスタッフの仕事体験できるイベントも企画中だ。

「カルティエ」の顧客から憧れる人まで、こどもと一緒に気軽に楽しんでみては?

「ジュエリーアトリエ」パビリオン

場所:キッザニア東京(食品開発センター シティマップ1F-7横)

期間:9月6日(火)から9月26日(月)まで

定 員:各回5名

対象年齢:3〜15歳

STEKKEY 代表

1987年東京生まれ。ファッションジャーナリストを経て、WWD JAPAN.comのチーフプランナーに就任。サイトリニューアルや広告メニュー立案を行いデジタル部門の確立したのち、2018年に株式会社STEKKEYを設立。ファッション、ビューティー、ライフスタイルブランドなど、これまで100を超えるブランドのブランディング、クリエイティブ制作、デジタルコミュニケーション戦略やサービス開発などに携わる。Yahoo!ニュースオーサーに加え、Forbes JAPAN Web オフィシャル・コラムニストも務めている。問い合わせ:info@stekkey.com

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