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3バックか4バックか。数字で判断してはいけない。コンセプトを見分ける方法とは

杉山茂樹スポーツライター
(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 4バックと3バック。それぞれには様々な種類がある。現在使われている布陣の中で種類が多いのは4バックだ。3バックとのシェア率を比較すれば、だいたい4バック8割、3バック2割。それぞれは多数派対少数派の関係にある。したがって3バックのチームは、それをあえて採用していることになるので、こちらはなぜそれなのかという興味を覚える。

 とはいえ、サッカーのスタイルを見るうえで4バックか3バックかを一番の物差しにするのは間違いだ。一口に4バック、3バックと言っても種類は様々。コンセプトが異なる布陣が存在する。数字が4と3と違ってもコンセプトが同じ場合もある。数字に惑わされてはいけない。サッカーを語る上で注視しなければならないポイントになる。

 たとえば、試合当初「相手は3バックです」と述べたなら、それはどういう3バックなのか、試合が流れていく中で詳らかにしていくのが実況アナや解説者、評論家の役割になる。4バックも然りだが、4バックのチームは一般的に4バックと呼ばない場合が多い。4−3−3とか4−2−3−1とか具体的な数列表記で言い表そうとするものだ。4バックは多数派なので、分類しやすいからだろうが、それだけに3バックが「3バック」と十ぱ一絡げに呼ばれていることに違和感を覚える。

 3バックも種類豊富だ。コンセプトが違う布陣がある。「3バックです」と言ったまま放置されると、いたたまれなくなる。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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