日本に望まれるのは、巧いのに巧さをひけらかさない奥ゆかしさ。

ヨーロッパリーグを制したアトレティコ・デ・マドリー(写真:ロイター/アフロ)

 ボールの奪い方が巧いサッカーを見るたびに思う。日本が目指すべき道はこれだ、と。

 最近では今季のヨーロッパリーグ(EL)を制した、アトレティコ・マドリーだ。シメオネが監督に就任してから、ずっと続く傾向でもあるが、そのボールの奪い方は芸術的でさえある。

 メンバーには好選手が名を連ねている。技術的に高度な巧い選手で占められているが、彼らは「私たちは巧いです」と、技量をひけらかそうとしない。きわめて地味にボールと相手を追いかける。

 たとえば、EL準決勝のアーセナル戦。パッと見、巧そうに映ったのはアーセナルだ。その華麗そうに見えるパスワークに、プレスで対峙するアトレティコの姿は、弱者の兵法に見えた。しかし、よい奪い方を決め、アーセナルが落胆した瞬間、アトレティコがキラリと技術を披露すると、強者と弱者の関係は一転。実はボール操作の巧さでも、アトレティコが上回っていることが鮮明になるのだった。相手チームが油断していると突然、超高度なパス回しを披露する。技術を出し惜しみするかのように。

 アーセナルの落胆ぶりは、いっそう鮮明になった。巧さを最大のよりどころにするチームは、巧さ比べで負けると、必要以上にショックを受けるとは、サッカー界でよく言われることだが、この場合のアーセナルがそれだった。

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杉山茂樹

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たかがサッカーごときに、なぜ世界の人々は夢中になるのか。ある意味で余計なことに、一生懸命になれるのか。馬鹿になれるのか。たかがとされどのバランスを取りながら、スポーツとしてのサッカーの魅力に、忠実に迫っていくつもりです。世の中であまりいわれていないことを、出来るだけ原稿化していこうと思っています。刺激を求めたい方、現状に満足していない方にとりわけにお勧めです。

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スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、2018年ロシア大会で連続10回現地取材となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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