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虚しく響く、ハリルホジッチ監督の「絶対に勝つ!」宣言

杉山茂樹スポーツライター

シンガポール戦、カンボジア戦のメンバー発表の席上で、ハリルホジッチはこう言って語気を強めた。

「絶対に勝つ!」

シンガポールとカンボジアは、勝利に感動が薄い相手だ。両国と日本のレベル差を知っていれば、当たり前すぎる誓いをドヤ顔でしないはず。その一言に、僕は違和感を覚えずにはいられなかった。

日本の置かれた状況、すなわち立ち位置が掴めていない。そこから外れた発言が目立つのだ。来日して8ヶ月。仕方がないと言えばそれまでだが、アギーレはそれが描けていた。ズレはないように見えた。

キチンとした強化はこれが解消されない限りできない。すべての基本と言っていい。心配になる。

先週グループリーグの4節を終了したチャンピオンズリーグ。これをW杯に置き換えれば、日本の立ち位置はどのあたりになるだろうか。

日本は2014年W杯でグループリーグ最下位に終わった。しかし、今季のチャンピオンズリーグF組で、現在最下位に沈むアーセナルとは立場が違う。

アーセナルは、ブックメーカー各社の予想では当初32チーム中、7、8番目辺りにランクされていた。バルセロナ、バイエルン、レアル・マドリーを追う第2グループの後方。一頃の勢いは失われたが、十分ベスト8を狙えるチームと目されていた。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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