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なでしこジャパンを「奇蹟の集団」で終わらせていいのか

杉山茂樹スポーツライター

なでしこジャパン。選手の待遇と成績との間に、彼女たちほど大きなギャップを抱える集団も珍しい。MVPの候補になった右サイドバック有吉佐織選手に至っては報酬ゼロだという。他のメンバーも似たりよったりの状況だ。海外でプレイしているからといって、満足な報酬を得ているわけではない。

報酬はその人の仕事ぶりに対する価値であり評価だ。

それがゼロでもほぼ世界一。

スタジアムは多くの観衆で埋まっていたし、テレビ視聴率も悪くなかった。女子W杯は世の中から大きな関心を集めていた。すなわち、大観衆を集めた一流の舞台で、超一流のパフォーマンスを、ギャラの安いアーチストが見せつけたわけだ。日本代表の看板を背負って。

なでしこジャパンが奇跡の集団に見える。と同時に、これは日本人としていただけない話だと思うので、僕の場合、それについての評論は、それなりの年俸だと言われる佐々木監督以外、つい気が引ける。居酒屋のような限定された空間ならともかく、公の場で批判めいたことは言いにくい。ベスト4、ベスト8に終わった場合でも、だ。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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