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近未来のPFP No.1? 2階級制覇王者シャクール・スティーブンソン単独インタビュー

杉浦大介スポーツライター
Mikey Williams/Top Rank via Getty Images

9月23日 ニュージャージー州ニューアーク 

プルデンシャルセンター

WBC、WBO世界スーパーフェザー級タイトル戦

王者

シャクール・スティーブンソン(アメリカ/25歳/18-0, 9KOs)

12回戦

挑戦者

ロブソン・コンセイソン(ブラジル/33歳/17-1, 8KOs)

 フェザー級、スーパーフェザー級の2階級制覇王者スティーブンソンが今週末、故郷ニューアークのリングに立つ。

 WBCスーパーフェザー級王座は初、WBO同級王座は2度目となる防衛戦で迎え撃つのはリオ五輪の金メダリスト、コンセイソン。昨年9月、初の世界挑戦時にはオスカル・バルデス (メキシコ)を追い詰めたブラジル人は実力派だが、それでも地元出身の王者が断然優位とみなされている。

 過去2戦ではジャメル・ヘリング(アメリカ)、バルデスという強豪を圧倒したスティーブンソンの評価はそれほどに高い。今後、さらに多くの重要ファイトの主役になるだけでなく、そのディフェンスの良さ、負けにくいスタイルがゆえに、近い将来にパウンド・フォー・パウンド(PFP)ランキングでもトップを争う選手になると見るメディア、関係者は少なくない。

 将来を嘱望される王者は何を思い、自身のどんな未来を思い描いているのか。現地時間21日、スティーブンソンを傘下に持つトップランクの計らいで単独インタビューが実現した。ここでは当面のコンセイソン戦だけに限らず、PFPランキング、幼少期に好きだったボクサー、井上尚弥(大橋)の印象など、様々な事柄について尋ねてみた。

勝ち続けることがすべて

――明後日に迫ったコンセイソン戦に向け、体調はいかがでしょう?

シャクール・スティーブンソン(以下、SS) : もう準備はできています。今すぐにもでも戦えますよ。

――PFPランキングについて考えを聞かせて下さい。最近では一部の媒体のランキングであなたはトップ10に名を連ね、同時に遠からずうちにトップを争う選手になると見られています。そのような形で評価されるのは重要なことですか?

SS : いずれ私がPFPでもNo.1と称されるようになるでしょう。それだけのトレーニングは積んでいるし、私の目標の1つでもあります。目標に掲げていることをすべてやり遂げるのが私の目標です。PFP No.1も必ず達成してみせますよ。

――現状では自分はどのあたりにランクされるべきと考えますか?

SS : それは自分ではわかりません。多くの人がそれぞれの意見を持っていて、人によってランキングは変わってくるのでしょう。自分がどこにランクされようとクールなことです。

――トップに立つために必要なことは何だと思いますか?

SS : 今やっていることをやり続けることです。つまり、勝ち続けること。どんな階級で戦うことになろうと、今後も勝ち続けます。135lbs(ライト級)、140lbs(スーパーライト級)、147lbs(ウェルター級)と上げていって、すべての階級でチャンピオンになってみせますよ。どの階級で戦っても私は王者であり続けるんです。

Mikey Williams/Top Rank via Getty Images
Mikey Williams/Top Rank via Getty Images

――高評価を得るために、たとえば今回のコンセイソンのような強豪と対戦した際にストップに持ちこんでアピールする必要性は感じていますか?

SS : KOにこだわるつもりはありません。KOを狙って戦うことは、上質ではないパフォーマンスにつながりがちです。パンチを出す際、ためて打とうとし過ぎてしまうからでしょう。私はただ相手を打ちのめすことに集中します。今回の相手(コンセイソン)もそうされる準備をしておくべきでしょう。

井上尚弥のスーパーバンタム級挑戦が楽しみ

――自分以外でベストと思うボクサーは?

SS : 私がベストボクサーです。「If」や「But」は必要ありません。私こそが最高のボクサーだと感じることができています。

――子供の頃、好きだったボクサーは?

SS : フロイド・メイウェザー、アンドレ・ウォード(ともにアメリカ)です。あとはスイートピー(パーネル・ウィテカー(アメリカ))ですね。

――少々タイプは違いますが、あなたとウィテカーにはサウスポーの技巧派という共通点がありますね。

SS : (嬉しそうに)ありがとうございます。私は多くのボクサーの映像を見ますが、その中にはもちろん彼も含まれます。すごい選手でしたからね。

――現役最高のボクサーの1人と称される井上尚弥の映像も見たことがあるかと思いますが、井上の印象は?

SS : とてつもないボクサーですね。突っ込みどころはまったくありません。個人的には、彼が階級を上げていくのを楽しみにしています。スーパーバンタム級での戦いは彼にとってより大きなチャレンジになるのでしょう。そこでの戦いを見るのが待ちきれません。

――現在のあなたの目標は?

SS : 今やっていることを継続して、さらに向上していくことです。2023年はできれば3戦はこなしたいですね。

――今回のコンセイソン戦がスーパーフェザー級での最後の試合になる可能性はありますか?

SS : さあ、どうですかね。試合後、発表することがあります。今戦が最後かもしれないし、そうではないかもしれません。もうしばらく待って下さい。

スポーツライター

東京都出身。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、MLB、NBA、ボクシングを中心に精力的に取材活動を行う。『日本経済新聞』『スポーツニッポン』『スポーツナビ』『スポルティーバ』『Number』『スポーツ・コミュニケーションズ』『スラッガー』『ダンクシュート』『ボクシングマガジン』等の多数の媒体に記事、コラムを寄稿している

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