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「唯一無二のボクサーに」井上尚弥の前座で米2戦目を控える平岡アンディが抱負を語る

杉浦大介スポーツライター
Photo By Mikey Williams / Top Rank

10月31日 ラスベガス                       

MGMグランド ボールルーム・カンファレンス・センター

スーパーライト級8回戦

日本スーパーライト級1位

平岡アンディ(大橋/24歳/15戦全勝(10KO))

リッキー・エドワーズ(アメリカ/30歳/12勝(3KO)4敗)

自分のボクシングは完成に近づいている

ーーアメリカでの第2戦の直前ですが、コンディションはいかがですか?

AH : 調子はいいですね。長い間、準備してきたので、試合がすごい楽しみです。

ーー昨年11月、ラスベガスでのアメリカデビュー戦では2回KO勝ちしました。やはりあの経験はいろいろな意味で大きいですか?

AH : そうですね。いい試合をしたいし、今回は(井上)尚弥さんの前座で、しかも日本じゃなくてラスベガス。そういったメジャーなところで試合ができるということにワクワクしますし、そんなに変な緊張とかもないです。

ーー無観客ということも気にならないですか?  

AH : 最初はちょっと気になったんですけど、まあでも会場を見に行ったりして、イメージはもうできています。結構、雰囲気もいい場所かなっていう印象でした。

ーー相手はリーチが長い選手と伝えられていますが、今日、計量で顔を合わせてみての印象は?

AH : 意外と大きくなかったですね。ビデオを見ていたらもう少し大きいのかなと思っていたんですけど。自分のコンディションを作り、自分のボクシングができれば結果はついてくると思っています。

ーー井上選手のアンダーカードということで注目度の高い舞台。アメリカでは試合内容が問われるとよくいいますが、本場のファンにどういったところを見てもらいたいですか?

AH : ラスベガスで試合をするのはずっと親父と僕の夢でした。4歳でボクシングを初めて、それからの夢だったんです。もちろん内容が問われるというのも知ってここに来ているので、自分が思い描いてたことができればいいと思っています。「日本人ボクサーではちょっと見たことがないような選手」とか、「日本から来た奴がすごいいいボクシングをする」とか、そういうふうに思われるような試合がしたいですね。

ーーお父さんは一緒にベガスに来ているんですか?

AH : はい、来てます。あまり(嬉しいというのを)出さないですけどね、でも心の中では僕がベガスで試合するのを喜んでいると思います。いい試合をして、親孝行したいですよね。昨日(10月29日)が親父の誕生日だったんですよ。

ーー大橋秀行会長も「日本人にはないタイミング、パンチが打てる」と称賛しているといった記事も読みました。では逆に現在の課題というと?

AH : ちょっと前までの課題はメンタルでした。これまではメンタルと自分の実力が噛み合わなかったというのはあったんですけど、ただ、だんだん自分のボクシングが完成に近づいてきたという思いはあります。(自分の思い描いてることが)リング上でも出せるようになってきています。

刺激的な井上尚弥と同じジムでのジムワーク

10月30日、計量後の食事を終え、インタビューに応じる平岡アンディ (撮影・杉浦大介)
10月30日、計量後の食事を終え、インタビューに応じる平岡アンディ (撮影・杉浦大介)

ーー昨年秋、トップランクから契約の話が来た時は驚きはありましたか?

AH : その前からラスベガスでトレーニングはしていて、実は僕と親父はこっちで試合をするようになってもおかしくないなと思っていたんです。メンタルの弱さのおかげで日本でも思ったような試合ができない時期があったんですけど、そこのバランスが整えばこっちでもやれるかなと。だから、「やっとか」という感じではありました。もちろん話が来たときは嬉しかったです。

ーーボブ・アラムからはどんな声をかけられているんですか?

AH : 前回、アメリカで試合をした時に、「またラスベガスに来てよ。試合でまた呼びたいから」と言われたんです。嬉しかったですね。

ーーバスケットボール八村塁選手、女子テニス大坂なおみ選手など、最近はハーフのアスリートが増えていますね。

AH : アメリカに来ると少し安心するところは実は少しあります。日本では「日本人じゃないでしょ」とか言われてしまったりしますが、こっちではそういう目では見られないので。だからアメリカはやり易いです。

ーー子供の頃に好きだったボクサーは?

AH : 子供の頃はボクシングは好きじゃなくて、無理やり見せられている感じだったんです。それがだんだんボクシングが好きになって、自分でYouTubeとかで試合を見るようにもなりました。ロイ・ジョーンズ・ジュニア、フロイド・メイウェザー・ジュニア(ともにアメリカ)を見るのが好きで、動きを取り入れたりとかもしています。

ーー大橋ジムで井上尚弥選手と一緒にトレーニングをしていますが、普段の井上選手の印象は?

AH : 尚弥さんはボクシングをしている時と、そうでないときの切り替えが凄いんです。本当に全然違う人みたい(笑)。尚弥さんが練習している時は良い意味でのピリピリ感がすごくて、怖いくらい。でもそれは本当に良い意味でのピリピリ感で、こちらもしっかりやらなければいけないと刺激になりますよね。

ーー井上選手から受けた印象的なアドバイスは?

AH : いや、あまりボクシングの話はしないんで(笑)。僕が尚弥さんの動きを見たりはしますけどね。

ーーまずは明日の試合に勝つことが先決ですが、来年の目標を教えていただけますか?

AH : (コロナで)1年間が空いてしまったので、世界を目指すために、まずは日本で地域のタイトルを取りたいというのがあります。その上で、日本とアメリカの両方で試合ができたらいいですね。

ーーそれではボクサーとしての最終目標は?

AH : どのタイトルを取りたいとか、そういうこだわりはないんです。それよりも、他の誰もなれないようなボクサーになりたいという思いがあります。僕は唯一無二のボクサーになりたいんです。

スポーツライター

東京都出身。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、MLB、NBA、ボクシングを中心に精力的に取材活動を行う。『日本経済新聞』『スポーツニッポン』『スポーツナビ』『スポルティーバ』『Number』『スポーツ・コミュニケーションズ』『スラッガー』『ダンクシュート』『ボクシングマガジン』等の多数の媒体に記事、コラムを寄稿している

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