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この冬一番の寒波襲来で、関東平野部でも雷を伴った降雪に注意

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雨や雪の予想(ウェザーマップ発表に筆者加工あり)

上空5500メートル付近ではこの冬一番の寒波

上空5500メートル付近の寒気予想(ウェザーマップ)
上空5500メートル付近の寒気予想(ウェザーマップ)

きょう23日(火)夜以降、日本の上空に強烈な寒波が流れ込んできます。上空5500メートル付近で予想されている-39度以下の寒気(中心は-40度以下)は、今回北陸付近まですっぽりと覆う見込みで、昨年クリスマス直前に流れ込んできた寒気より、南下する予想となっています。

この影響で、北陸地方では24時間で最大100センチの雪が予想され(気象庁発表の大雪情報)、東日本や西日本では、日本海側を中心に、広く大雪に警戒が必要ですが、関東平野部でも雪雲の発生する所があり、一時的には、雷を伴った降雪となる可能性があります。

タイトル画像をみると、北陸や山陰に大雪をもたらす日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)が顕在化し、これの延長線上にあたる関東地方でも、北風と西風のシアラインが発生するため、降水域が広がることになりそうで、後述しますが、これは東京都心などで雷を伴って初雪を観測した10日前の今月13日(土)と似た状況とも言えます。

関東平野部でも雪雲が発生し、雷を伴った降雪も

雨やみぞれ、雪の予想(ウェザーマップ)
雨やみぞれ、雪の予想(ウェザーマップ)

関東平野部でも、きょう23日(火)夜からあす24日(水)明け方にかけて、上図のように、茨城や千葉を中心に、降水域が発生し、雪やみぞれの降る所がありそうです。この降水域の広がりの予想は難しく、予想以上に広がった場合は、都内などでも降雪となる可能性があります。

また上空の強い寒気の影響で、大気の状態が不安定となるため、雷雲が発生する可能性もあり、そのような場合は、短い時間に降雪が予想以上に強まる可能性もあります。

茨城や千葉を中心に、うっすら積雪に注意が必要

予想降雪量(ウェザーマップ)
予想降雪量(ウェザーマップ)

今の降雪域をもとに計算された、あす24日(水)午前6時までの12時間予想降雪量では、茨城県内で最大1~3センチ程度の降雪が予想されていて、芝生などにうっすらと積雪をする可能性があり、降雪域が広がれば、もう少しこのうっすら積雪域が広がる可能性もあります。

日本海側の大雪に比べれば、はるかに少ない降雪量ではありますが、普段雪のほとんど降らない関東平野部では、うっすらとした積雪でも、転倒事故やスリップ事故につながることがありますので、決して油断できません。

10日前と似たような状況

推計気象分布と可視画像の様子(ウェザーマップ発表に筆者加工あり)
推計気象分布と可視画像の様子(ウェザーマップ発表に筆者加工あり)

10日前の今月13日(土)にも今回と似たような状況で、関東地方の平野部でも降水域が発生しました。東京都心の降り出しは雨だったのですが、降水とともに一気に気温が1度近くまで急降下し、みぞれから雪に変わり、しかも雷を伴って、吹雪くような初雪となりました。

この時、東京都心での積雪はありませんでしたが、上図右の翌日14日(日)朝の可視画像をみると、栃木県や茨城県を中心に、千葉県でもうっすらと積雪した様子がうかがえました。今回もこのようなうっすら積雪に、念のため、注意が必要です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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