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来週は都心でも初雪の可能性、冬の嵐で西日本でも吹雪や大雪に十分注意

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
首都圏の雪(写真:アフロ)

週末に暖気一転、寒波が襲来

上空の暖気と寒気の予想(ウェザーマップ発表に筆者加工あり)
上空の暖気と寒気の予想(ウェザーマップ発表に筆者加工あり)

週末に暖気場から寒気場への劇的な入れ替えが起こり、17日(日)以降は、全国的に一気に本格的な冬が到来するでしょう。(関連記事

そして、この寒気が流れ込んだところに、来週早々、南の海上をいわゆる南岸低気圧が通過する計算が多くなっていて、この影響などにより、東京都心でも、寒気の強さによっては、初雪となる可能性があります。

寒気の中、南岸低気圧などにより、都心でも初雪の可能性

低気圧や上空1500メートル付近の気温などの予想(ウェザーマップ発表に筆者加工あり)
低気圧や上空1500メートル付近の気温などの予想(ウェザーマップ発表に筆者加工あり)

上図は来週19日(火)午後9時の天気図や降水域(左)、上空1500メートル付近の寒気(右)の予想などを表したものです。

四国沖に南岸低気圧が予想されていて、またこれに先行するように関東沖にも小さな低気圧が発生する可能性があります。一方、上空1500メートル付近の下層寒気をみると、0度線が関東南岸にかかっていて、関東地方には北から-3度以下のさらに強い寒気がくさび状に突っ込む計算となっています。これは関東平野部で、もし降水があれば、みぞれや雪になる可能性がある寒気の強さと言えます。

まだ一週間先でかなりブレがあり、低気圧や寒気の強さなどが、今後大きく変わる可能性も十分にありますが、現時点の予想では、来週19日(火)から20日(水)にかけて、東京都心でも初雪の可能性があると言える状態です。

東京の予報に雪マーク、まだまだブレが大きい状態

関東の予報(ウェザーマップ)
関東の予報(ウェザーマップ)

上述した低気圧や寒気の影響で、東京は来週19日(火)の予報が曇り一時雨か雪、そして20日(水)は晴れ一時雨か雪となっています。

今後、低気圧や寒気の影響がより強まれば、雪の可能性が大きい予報に変わり、寒気の影響が弱まれば、すっかり雨寄りの予報に変わる可能性もあります。また低気圧の影響が小さくなれば、降水現象自体もその可能性が小さくなることも考えられます。このようにまだまだブレが大きい状態です。

来週後半は強烈寒波で冬の嵐、西日本でも吹雪のおそれ

低気圧や上空1500メートル付近の気温などの予想(ウェザーマップ発表に筆者加工あり)
低気圧や上空1500メートル付近の気温などの予想(ウェザーマップ発表に筆者加工あり)

なお、関東付近の降水が終わった後、来週21日(木)頃には、一段と強い強烈な寒波が西日本に襲来する見込みです。上空1500メートル付近で-12度以下の寒気が福岡や広島などをスッポリ包んでいますが、これは平年より10度以上も低く、師走としてはかなり強烈な部類です。

強烈寒波の影響で、西日本でも北西の季節風が強く吹き、吹雪や大雪となる所がありそうですが、発達する低気圧に近い北日本では非常に強い風を伴った猛吹雪となるおそれがあります。

この冬は全国的に暖冬の予想となっていますが、来週に限って言えば、まさに寒冬の典型的なパターンとなりますので、西日本を含めて、吹雪や大雪、厳寒に注意、警戒が必要です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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